『エンディミオン』 ダン・シモンズ  ハヤカワ

ハイペリオンシリーズ3作目。

時を越えてやってくる、ジョン・キーツの娘を守ることを、

1作目の主人公の一人に託されたロール・エンディミオンが主人公。

冒険小説のメソッドしか使ってないので、前2作に比べると格段に読みやすい。
ハリウッド映画的というか、絶対映画化を狙って書いたと思われる作品。

映像化すれば映えるイメージはいっぱいあるが、

思索小説としてのSFとしては、軽くなりすぎた感じ。

読みやすいが、ヒーローが軽すぎる(藁

敵の指揮官の方が魅力的である(爆)

本物の悪の敵が登場する最後の大ピンチに、

今までの敵に助けられることになるヒーローは情けない(笑)

閉所恐怖症で高所恐怖症で、

運転出来るメカは車だけのこの情けないヒーロー像は、

ちょっと失敗だと思う。

敵の雑魚兵士を助けようとした行為が、

自分の命を助けることになるエピソードもあるのだが、

敵を殺せない優しさを全面に出した方が、もっと面白くなったと思う。

完結編となる4作目では、哲学的な深みも出てくることを期待しよう。

エンディミオン〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

エンディミオン〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

エンディミオン〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

エンディミオン〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)