『エンディミオン』 ダン・シモンズ ハヤカワ
ハイペリオンシリーズ3作目。
時を越えてやってくる、ジョン・キーツの娘を守ることを、
1作目の主人公の一人に託されたロール・エンディミオンが主人公。
冒険小説のメソッドしか使ってないので、前2作に比べると格段に読みやすい。
ハリウッド映画的というか、絶対映画化を狙って書いたと思われる作品。
映像化すれば映えるイメージはいっぱいあるが、
思索小説としてのSFとしては、軽くなりすぎた感じ。
読みやすいが、ヒーローが軽すぎる(藁
敵の指揮官の方が魅力的である(爆)
本物の悪の敵が登場する最後の大ピンチに、
今までの敵に助けられることになるヒーローは情けない(笑)
閉所恐怖症で高所恐怖症で、
運転出来るメカは車だけのこの情けないヒーロー像は、
ちょっと失敗だと思う。
敵の雑魚兵士を助けようとした行為が、
自分の命を助けることになるエピソードもあるのだが、
敵を殺せない優しさを全面に出した方が、もっと面白くなったと思う。
完結編となる4作目では、哲学的な深みも出てくることを期待しよう。
- 作者: ダンシモンズ,Dan Simmons,酒井昭伸
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2002/02/01
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