2011-06-29から1日間の記事一覧

『未来からのホットライン』 ジェイムズ・P・ホーガン 

THRICE UPON A TIME 無理すれば「夏への扉」と「マホメットを殺した男たち」と「タイムトンネル」と「復活の日」と「さよならジュピター」を足して5で割ったものが本書であると言えるかも知れない。さすがホーガン、時間論のみの時間SFではないのである。時…

『聖者の行進』 アイザック・アシモフ  池央耿訳

THE BICENTENNIAL MAN AND OTHER STORIES ・男盛り ・女の直観 ・ウォータークラップ ・心にかけられたる者 ・天国の異邦人 ・マルチバックの生涯とその時代 ・篩い分け ・バイセンテニアルマン ・聖者の行進 ・前世紀の遺物 ・三百年祭事件 ・発想の誕生全…

『はだかの太陽』 アイザック・アシモフ 

THE NAKED SUN ヒエラルキーの頂点の二万人が人間で、それ以外の労働者はすべてロボットという惑星ソラリアで、 植民以来初めての殺人事件が発生した。 ドームに覆われた鋼鉄都市に住む地球人は広所恐怖症になったが、 ソラリア人は対人恐怖症になっていた。…

『デューン砂漠の神皇帝』 フランク・ハーバート  矢野徹訳 早川

GOD EMPEROR OF DUNE 「砂丘の子供たち」から3000年後、アラキスは既に砂の惑星デューンではなかった。人工降雨により緑の惑星へと改造されていた。そして人類を導く為に人間以上の存在になる必要を感じたレト二世は、巨大なサンドウォームと化し、3000年も…

『冬の子供たち』 マイクル・コニイ サンリオ

WINTER'S CHILDRENコニイ作品でこれが一番異色作であろう。これのみが三人称で書かれており、コニイが好む青春恋愛ストーリーの香りがないのだ。本書をコニイのベスト1に押す人もいるぐらいの、色々と騒がれたあの結末。

『カリスマ』 マイクル・コニイ サンリオ

CHARISMAタイトルがタイトルですが宗教小説ではありません。安心して読んでください。コニイの描く主人公というのは結局小市民であり、自分の生活が第一であり、その範囲で善悪に悩み、恋愛を成就させようと行動するだけである。不条理を引きずって…

『ブロントメク!』 マイクル・コニイ  サンリオ

コニイの作品は小説である。伝統的なイギリス小説なのである。淡々と冷静に主人公の人生の断片を描写するもっとも小説らしい小説なのである。コニイの作品を読めるか否かという事は、その人が小説を好きか嫌いかという事でもある。コニイの作品はあまりにも…

『ドルセイへの道』 ゴードン・R・ディクスン  創元

NECROMANCER 本書の時代は21世紀、「ドルセイ!」より前のエピソードになる。ドナルが生まれた軍人惑星ドルセイにまだテラナーが植民以前のお話であり、本文中にドルセイのドの字も出てこないが、本書は「ドルセイ!」の前編ではなくて続編なので…

『ドルセイ!』 ゴードン・R・ディクスン  創元

14世紀から25世紀の人類史を描く、”貴公子の系譜”シリーズの2403年からの5年間、 エピソード7から12のどれかのお話である。(え〜い、無責任なw) それにしてもなんとストーリー展開の速いお話だったのか! 士官候補生ドナル・グレイムはこの一冊で12の恒星…

『女王国トライアングル』 川田武 角川ノベルス53-1

本書は誰でも書き易い邪馬台国の謎に挑戦した伝奇SFである。ピラミッドパワーの概念と、アホサ・クルッテルの「オリエント急行の殺人」のアイデアを盗用しただけのアイデアである。実は邪馬台国の推定地すべてが邪馬台国であった!とはさすがに言わんが、…

『ロイガーの復活』 コリン・ウィルスン  荒俣宏訳 早川

THE RETURN OF THE LLOIGOR 文学教授ポール・ダンバー・ラングは、生きて還れぬ謎の古城で遂に巡り会った最強の古書によりどうなったのか?その結末は「賢者の石」の中で述べられている。本書は「賢者の石」より前の時代のお話である。…