『女王国トライアングル』 川田武 角川ノベルス53-1
本書は誰でも書き易い邪馬台国の謎に挑戦した伝奇SFである。
ピラミッドパワーの概念と、アホサ・クルッテルの「オリエント急行の殺人」のアイデアを盗用しただけのアイデアである。
とはさすがに言わんが、邪馬台国は三つ存在したのだ。
そのピラミッドパワーによって超頭脳を得た男が、卑弥呼と武内宿禰に踊らされるままに日本のフィクサーとなり、邪馬台国を甦らせようとするお話である。
邪馬台国に関する学説はほとんど紹介しないくせに、くだらんキャラや今までのストーリーの説明がくどくどと何度も出てきてあきれてしまう。
どうせ連載ものだったのだろうから仕方ないねと諦めたが、実は野生時代に一挙掲載されていたw
読者を馬鹿にするな!連載と読み切りの区別もついてない三流小説家なのだろうな、川田武というアホは。
川田武のアホなストーリーやキャラを読ませるより、古代史をもっと書き込んだ方がマシよ!
ストーリーよりも疑似科学を書く為に小説を書いていると批判された初期のJ・P・ホーガンだが、
ホーガンの方が遥かに面白いし読者サービスだと思わなくて?
既に滅びてしまった王国も、死んでしまった女王も、現代で問題にするのは、単なる趣味のお遊びでありどうだっていいんですが、
川田が書かなかった事を補足してこうか。
魏志倭人伝を素直に解釈すれば邪馬台国は太平洋にあったことになり、
方角と距離をどう歪曲して解釈するかが鍵なのだ、
素直に解釈して、邪馬台国はなかったとか、邪馬台国はムー大陸だったとかいうメチャクチャな説もあったっけね。
データをすべて生かさないので推定地が色々でてくるわけで、
方角データを重視するのが九州説、
距離データを重視するのが大和説である。
日本の陸地に該当地が存在しなくなるデータをすべて生かす巧い解釈が榎学説である。
データを累積しようとしたことが間違いだったのだ。
対馬、壱岐、末廬、伊都、奴、不弥、投馬の間の距離を足してはいけないのだ、
水行と陸行も足してはいけない。
名古屋と東京、名古屋と大阪、名古屋と岡山、名古屋と高知、名古屋と金沢、名古屋と北九州、名古屋と沖縄、名古屋と札幌、これらに列車か飛行機でかかる時間をすべて足して、札幌と沖縄間の距離を算出するようなものである。
斜行説も、放射状説も知っていたって?
失礼しましたぁ〜。知識人が一度は罹る病気が邪馬台国論争だよね。邪馬台国ネタ書いてなかったので書いてみましたw
- 作者: 川田武
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1983/04
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