『カリスマ』 マイクル・コニイ サンリオ

CHARISMA

タイトルがタイトルですが宗教小説ではありません。安心して読んでください。

コニイの描く主人公というのは結局小市民であり、自分の生活が第一であり、

その範囲で善悪に悩み、恋愛を成就させようと行動するだけである。

不条理を引きずって歩くヴァン・ヴォクト的強引さも、

己の信念を貫きあくまでも闘うハインライン的男らしさも持ち合わせていないのだ。

ブロントメク!」に名前だけ登場したジョン・メインが体験した

サスペンスフルで悲しいSFミステリ風事件とは何だったのか?

時間研究所のメンバーに巻き込まれて

過去と未来と平行世界を往来するようになったジョンに次々と襲いかかる事件!
平行世界の自分がドンドン死んでいく。愛するスザンナもだ!

二人が幸福に暮らせる世界ははたして存在するのか!?

「発狂した宇宙」にはならないから心配せんといて!w

「プロントメク!」の前に本書を読んでおいた方が「ブロントメク!」がいっそうおいしくいただけます。

それにしてもドーバー警部もかくやというあの傑作なシーンを演じるバスカスのキャラはいい。

バスカスのキャラだけでも読む価値はある。

カリスマ (1981年) (サンリオSF文庫)

カリスマ (1981年) (サンリオSF文庫)