2011-06-27から1日間の記事一覧

『魔法株式会社』 ロバート・A・ハインライン 早川文庫SF

表題作と「ウォルドゥ」が併録されている中編集。 ガンダムを論じた記事で知ったものだから、 私は「ウォルドゥ」をパワードスーツの開発物語だと思っていたが、 単純に、ただウォルドゥが「ウォルドゥ」を造るだけの話ではなかったので感動しました。

『ハローサマー、グッドバイ』  マイクル・コニイ

未来のどこかの惑星でのエリートの少年と召使いの少女の甘くせつない初恋物語。SF的未来社会を舞台にする必然性が感じられないただの恋愛小説と思ったら、ラストの2Pというか、ラスト1行であっと驚く凄いSFになります。

『ゴールド−黄金−』 アイザック・アシモフ 早川文庫

巨匠アシモフ最後のSF短編集である。 と言ってもまともな小説は、 「キャル」 「ゴールド−黄金−」 の2作だけで、残りは読む必要がないエッセイばかりだが、 「キャル」唯一つの為だけにも買う価値は十分あります。 「ゴールド−黄金−」にも共通して言える…

『孟嘗君』 宮城谷昌光  講談社文庫

「生きるのはたやすい。人を助ければ自分が助けられる。それだけのことだ」 「自由を求める者は孤独を恐れてはならない」 「人は平等が理想だと言う。だが、自分だけは特別な存在だと思い込んでいる」 「平凡を貫ける者こそが非凡である」 「剣では人は救え…

『盤面の敵』 エラリイ・クイーン  ハヤカワ

犯人は神!メタフィクションかと思われるが、実は書いたのは、クイーン名義になってるが、シオドア・スタージョンなので、出来損ないのSFと評価するべきであろうな。

『三つの棺』 ジョン・ディクスン・カー ハヤカワ

カーは全て面白いが、ベストはやはりこれだろう。フェル博士の密室講義があるのはこれだから。

『よみがえる三国志伝説』 宝島社

本、漫画、ゲーム等、全てのジャンルの三国志ものの紹介本だが、評者になんか偏向が見られる。「龍狼伝」と「STOP!劉備くん」をボロクソに言ってるのは解せん。

『女禍-JOKER-』 大西巷一 講談社アフターヌーンコミックス

夜回り先生孔明が出会い保護観察下において、同棲を始めた少女・恚は、太古の昔に失われた筈の呪術兵器の末裔!少女を守る為に邪神と呪術合戦した孔明は、三顧の礼の前に死んでしまう!

『功名が辻』  司馬遼太郎  文春文庫

信長、秀吉、家康と三人の主君に仕え、50石の武士という境遇から、24万石を抱える大名へと立身していく山内伊右衛門(後の土佐藩主山内一豊)と妻千代の物語。内助の功の妻千代が有名だが、一豊は無能に近いが、人間的な魅力はあったらしい。

『長江落日賦』 田中芳樹 徳間書店

誰も三国志ものを書かなくなったら三国志ものを書くと言っていた田中芳樹だが、短編ならひとつ書いている。この短編集に収録されている「白日、斜めなり」が夏侯覇を主人公にした三国志ものである。