『功名が辻』  司馬遼太郎  文春文庫

信長、秀吉、家康と三人の主君に仕え、50石の武士という境遇から、

24万石を抱える大名へと立身していく山内伊右衛門

(後の土佐藩山内一豊)と妻千代の物語。

内助の功の妻千代が有名だが、

一豊は無能に近いが、人間的な魅力はあったらしい。
たった数人の部下を率いて戦国時代に参戦し、

様々な勢力を渡り歩き、一国一城の主になったというと、

一豊には三国志劉備の面影を感じた。

妻千代が孔明並みに有能なら、

一豊も日本史の英雄ベスト3に成れたのに惜しい(w

千代の叱咤激励のテクニックは巧いと思ったが、

一豊にとって千代の最大の貢献は、

千代の臍繰り金である。

でもそれは千代が苦労して遣り繰りして貯めた金ではなくて、

親から渡された持参金である。

貴重な金をどこで投資するか?

人生に唯一つの勝負どころを間違えなかった千代は、

優れた戦略眼の持ち主であったが、

自分で稼いだ金ではないので、金の重みが少なくて、

感動のパワーポイントが薄れるよな。

愛するあなたの為に売春して稼いだ金を軍資金として捧げます。

と言って欲しかった(爆

新装版 功名が辻 (1) (文春文庫)

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新装版 功名が辻 (2) (文春文庫)

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新装版 功名が辻 (3) (文春文庫)

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新装版 功名が辻 (4) (文春文庫)

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