『長江落日賦』 田中芳樹 徳間書店

誰も三国志ものを書かなくなったら

三国志ものを書くと言っていた田中芳樹だが、

短編ならひとつ書いている。

この短編集に収録されている

「白日、斜めなり」が夏侯覇を主人公にした三国志ものである。
魏の皇室にも蜀の皇室にも血縁関係のある

貴公子夏侯覇の数奇な運命を描いた佳作。

魏から蜀に亡命する破目になった夏侯覇が可哀想でならない。

史官職がない文化後進国

軍国主義の野蛮な蜀の一員となって戦う夏侯覇の苦悩は

たいへんなものでありましたな(w

戦場で逃げ遅れた敵の家族の美少女を

拉致して手篭めにして結婚してしまった

張飛がすべての元凶である。

長江落日賦 (ノン・ポシェット)

長江落日賦 (ノン・ポシェット)