2011-07-29から1日間の記事一覧

「荒俣宏と立花隆と宮崎駿を足して3で割らない」大巨人小松左京氏死去

2011年7月26日午後4時36分、肺炎のため大阪府箕面市内の病院で死去。80歳だった。小松氏が小説書いた動機は、ラジオも無い貧乏暮らし時代に、妻に娯楽を与える為、妻に読ませる為に書いたのが第一作だというエピソードは良いよな。人を楽しませる為に書くの…

『自己チュー親子』 諏訪哲二 中公新書ラクレ

本書のベストセリフ『いろいろな人の視点を取り入れないで「自己」がどんなに純粋に考えても無効である』 社会性や公共性という概念が理解出来ない自己中心主義が何故生まれたか、どうやってまともな社会人にするかを考察した本。自己チューなキチ○イの例と…

『失踪者』 ヒラリイ・ウォー 早川ポケミス

捜査官は鑑識官とは違う。殺人事件の現場に第一に駆け付けても、現場保存以外は何もせずに、死体発見者に「何もしないの?」と糾弾されても、平然と「鑑識がまだ来てない」と切り返す主人公が、体裁を整える為に仕事してる振りではなくて、本物のプロの矜持…

『私を猫と呼ばないで』 山田正紀 小学館

「消えた花嫁」 「親孝行にはわけがある」 「猫と女は会議する」 「津軽海峡、冬景色」 「つけあわせ」 「女はハードボイルド」 「窓の見える天窓」 「恋の筑前煮」 「カゴを抜ける女」 「スイサイド・ホテル」 「恋のコンビニ愛のチップス」 「足りないもの…

『第四の扉』 ポール・アルテ 早川ポケミス

ツイスト博士シリーズ1作目。作者はフランス人だが、舞台はイギリスであり、ジョン・ディクスン・カー を後継する作品である。最初は主人公の名はギデオン・フェル博士だったが、著作権の壁を突破出来ずに、オリキャラとして微修正したそうな。幽霊が犯人と…

『京都蜂供養』 山田正紀 出版芸術社

「鮫祭礼」 「猫を憎む」 「モアイ」 「鳥のいない鳥篭」 「京都蜂供養」 「転げ落ちる」 「いけにえの空」 「獣の群れ」 「近くて遠い旅」の9編が収録されたSF・ミステリー短編集。痴漢冤罪事件ネタの「獣の群れ」が素晴しい!自分の無実を晴らす執念と悪の…

『20世紀の幽霊たち』 ジョー・ヒル 小学館文庫

17作全てギリギリ水準作以上だが、女性視点の物語が一つしかなくて、21世紀に書かれた話にしては、ジェンダー観が古すぎて笑う。いまだに父性愛をマンセーされてもなぁ。上手な無駄の無い話ばかりだが、もう、お腹いっぱい。作者の引き出しの限界も読み取れ…

『神獣聖戦』 山田正紀 徳間書店

最新のダーウィニズムとM理論で天才正紀が超絶生命を創造した!重力子で思考する重力生命!!それは幻想を実体化させる幻想生命!!!驚異の幻視物理学に酔いしれろ!!!!フリードリッヒ・ニーチェ の永劫回帰や、ベルクソンの持続時間、J・L・ボルヘス …

『あなたの人生の物語』 テッド・チャン 早川文庫SF

SF・ファンタジー短編集。ブに100円であったので買った。100円の価値は充分にあります。モチーフとしては言語学・数学SFが多く、テーマとしては人類進化SFが多い。

『見えない風景』 山田正紀 出版芸術社

「新築一年改装三回」 「脅迫者はバットマン」 「二十六日のイブ」 「見えない風景」 「スーパーは嫌い」の五編が収録されたミステリ短編集。殺人事件もあるが日常の奇妙な謎ものがメインかな。