2011-07-28から1日間の記事一覧

『ホット・ロック』 ドナルド・E・ウエストレイク 角川文庫

泥棒ドートマンダーシリーズ第一作。長編と言うより中篇連作な感じ?メカを駆使した派手な面白い作戦もあるが、ラストが地味でちょっとご都合主義に思う。作者とユーモアのセンスが合う人には至高の作品だろう。

『メロス・レヴェル』 黒武洋 幻冬舎文庫

サバイバルゲームの勝敗の面白さを追求したエンタメなのか、人の絆の美しさ儚さを訴える文学なのか、感動のパワーポイントが分散した感じ。

『おとり捜査官 1 触覚』 山田正紀 朝日文庫

ポルノっぽいのも読者をミスリードする技法であり、ありえない意外な犯人の本格推理の傑作。強姦者と痴漢の犯罪心理は違うとか、犯罪心理捜査官ものとしても傑作。解説者はジェフリー・ディーヴァー のリンカーン・ライムシリーズに匹敵するかのように書いて…

『もういやだ! この疲れた心を休め、甦らせてくれる心の専門家50人』 三楽舎

神はもちろん、魂も心も精神も存在しないと主張するのが、科学教の信者である。存在しない心の悩みという概念は大笑いである。普通なら絶対読む事のない本だが、三楽舎 から献本されたのでネタとして読んだ。全国の心理カウンセラー50人を紹介した実用本だが…

『神君幻法帖』 山田正紀 徳間書店

山田風太郎の『甲賀忍法帖』のオマージュ。効果は全く同じ忍法も出てくるが、カタカナの科学用語を駆使した理屈が、現代科学でより詳しくなってるのが読みどころ。現在の科学知識で山田風太郎が忍法帖をリメイクしたらこうなるだろうという作品。不死の忍者…

『パーク・サイドの殺人』 ヒラリー・ウォー ケイブンシャ文庫

私立探偵サイモン・ケイシリーズ。『トップレス・バーの女』 よりは劣りますが、サイモン・ケイのキャラは魅力的ざます。ハードボイルドの主人公にしては、欲望が少ないのがいいざんす。基本的に煙草は吸わず、独身主義なので、女も遠ざける努力をするという…

『ヘロデの夜』 山田正紀 出版芸術社

「ヘロデの夜」 「ユダの海」 「夢の試練」 「プランクトンカンサー」 「呪われた翼」の5編が収録されたSF短編集。「ヘロデの夜」と「ユダの海」は同じ世界で、全部原口一族の物語かと思ったが違った。神に翻弄される原口一族の物語をもっと書いて欲しかった…

『ブラッククロス』 グレッグ・アイルズ 講談社文庫

敵方のナチスのシェルナー少佐がデラかっちょええ!悪のナチスなのに、ユダヤ人女性を強姦せずに、一週間の心の準備を与える紳士。敵のナチスにセクースを一週間は我慢出来る紳士を配し、味方のイギリスコマンドは、現地妻と一晩に二発やるというケダモノwヒ…

『1ダースまであとひとつ』 山田正紀 光風社出版

「身元不明につき」 「甘い生活」 「夢で会いましょう」 「自転車泥棒」 「地獄表を見る男」 「しつけの問題」 「ビニールハウス」 「追放船」 「竜の侍」 「誰も知らない空港で」 「システムダウン」ホラー、ミステリー、ノワール、ファンタジイ、SF、時代…

『絵画で読む聖書』 中丸明 新潮文庫

本書のベストセリフ『イエスは人びとに祈りを教え、病気を癒しはしたが、彼自身の手で洗礼を施すことはしなかった。つまり、洗礼を授けるということは、「施し」の行為である。相手より一段高いところに立った行為で、優越感を覚える行為である。イエスは、…