『絵画で読む聖書』 中丸明 新潮文庫

本書のベストセリフ

『イエスは人びとに祈りを教え、病気を癒しはしたが、

彼自身の手で洗礼を施すことはしなかった。

つまり、洗礼を授けるということは、「施し」の行為である。

相手より一段高いところに立った行為で、優越感を覚える行為である。

エスは、その優越的立場に立つことを拒まれたのではないだろうか』


エスの謙譲の博愛主義を捻じ曲げたキリスト教団は、

エスの行為を反故にする悪の組織だよなw
白黒だが、けっこう絵も収録されています。

中丸明はスペイン萌えなので、

スペイン絵画やプラド美術館の絵が多く紹介されているのが、

スペインマンセーには嬉しいであろう。

ヒエロニムス・ボッシュの優しいほんわかムードの絵は必見である。

絵になった旧約と新約と外典のエピソードが、

セリフが例によって名古屋弁でも語られます。

エス名古屋弁しゃべりゃあすでよ!w

中丸明は大学生までクリスチャンだったみたいだが、

聖書を外典まで読んで、

エホバはナチスドイツより酷い虐殺魔と気付き、

目出度く信仰を捨てたみたいである。

良い人生良い社会を作るのに、

聖書はほとんど役に立たないが、

文学作品としてギャグのネタにするという使い道があります。

大爆笑出来て、聖書や絵画の知識も身に付くお値打ち本である。

絵画で読む聖書 (新潮文庫)

絵画で読む聖書 (新潮文庫)