2011-07-04から1日間の記事一覧

『自由軌道』 ロイス・マクマスター・ビジョルド

宇宙もの+人類進化もの。 無重力の宇宙ステーション内で暮らす新人類に足は必要無い! と遺伝子操作され、足も手になった新人類が登場する佳作であるが、印象的に地味な作品でレビュる気もしなくて、放置していたが、 ネタ切れで記事にしますたw 可も無く不…

『SF三国志』 石川英輔

SF西遊記が「スタージンガー」としてアニメ化され、 それなりに小銭を稼いだ石川英輔が、もう一発当てようと書いたのが、「SF三国志」である。結果は惨敗。SF界からも三国志界からも黒歴史として封印されたw三国志の舞台を宇宙に移し、三国志キャラが…

『バルバロッサ作戦』 パウル・カレル  松谷健二訳

ドイツの戦記ものって、ほとんどが松谷健二訳だから、 マルペには読み慣れた文でサクサク読めましたよなw「ナチスドイツの科学力は世界一ィィィ!」というわけで、世界征服を企む悪のドイツは、遂にソ連侵攻を開始した!だが、正義のソ連軍には神風が吹くの…

『バベル17』 サミュエル・R・.ディレーニイ 早川文庫

バベル17、それは関係代名詞がワンセンテンスに17も複合する神の言語(違うだろw)、若きヒロインが宇宙を駆け巡りバベル17の謎に挑戦する、SF界のジェイムズ・ジョイスと呼ばれるディレーニイの傑作ニュースペースオペラ!単純にスペオペとしても…

『星からの帰還』 スタニスワフ・レム 

普通人が想像出来ないものを 想像してしまう天才レムの未来社会ものである。 タイトルは宇宙テーマものみたいだが、 亜光速で星間旅行した宇宙飛行士は、 浦島効果により、百年後の未来の地球に帰還することになる。「未来への帰還」というタイトルの方が相…

『言語学 私のラブストーリー』 千野栄一 三省堂

千野栄一の仕事で一番有名なのは、 カレル・チャベック作品の翻訳だろうが、言語オタクの千野栄一にとって翻訳業は余技に過ぎない。千野栄一は世界一の言語学者である。習得した言語は10を越え、覚えても覚えても言語に対する愛が尽きない千野栄一は、自分…

『なぞの転校生』 眉村卓

バンダイの(たぶん)ロリコン映画は見てないが、NHKの方は見た。 原作では美少年と明記されている転校生が、エキゾチックな顔立ちだが、あんまり美ではなかったのは萎えた。これは原作の方が、異次元人である転校生たちの悲哀が伝わってきて、良かったと思う。

『黒いカーニバル』 レイ・ブラッドベリ 

SF界が生んだ世界最高の詩的な幻想作家。 普通のSF者は「火星年代記」をベストに押すだろうが、 私が一番好きなのは、『黒いカーニバル』に収録されている 「遊園地」である。

『非(ナル)Aの世界』 A.E.ヴァン・ヴォークト 中村保男訳 創元文庫

ワイドスクリーンバロックSFの元祖、ヴァン・ヴォークトである。 超能力、超常現象が吹荒れる不条理世界で、不条理を引き摺って歩く男を主人公にしたヴァン・ヴォークトは一世を風靡したが、超能力の存在を信じてしまい、き○がい扱いされる悲惨な晩年を過…

『栞と紙魚子の生首事件』 諸星大二郎 朝日ソノラマ

大さまが描いたクトゥルーネタのホラーギャグ。 本好きの女子高生二人が主人公。 一人は古本屋の娘の眼鏡っコ ですので、その手の趣味の人にはタマランでしょう。