『SF三国志』 石川英輔
それなりに小銭を稼いだ石川英輔が、
もう一発当てようと書いたのが、「SF三国志」である。
結果は惨敗。
三国志の舞台を宇宙に移し、三国志キャラが宇宙船で戦うという設定。
地政学的に特異な三国の国境が、惑星「魏」惑星「呉」惑星「蜀」と分断され、
地政学の面白さを捨てたのが最大の敗因。
三惑星間で戦争が起こるのは、
軌道が近い惑星同士という別のルールを導入したつもりみたいだが、
ロケットの燃料を余分に使って裏をかく作戦は白けるよな。
トンデモない三国志ものはイパーイあるので、インパクトは弱い。
SF戦の指揮官としての孔明は、かっちょ良かったがね。
司令宇宙ステーションの中で、たった一人で、
マルチスクリーンに映し出される多数の戦闘画像を同時に解析し、
瞬時に指揮するのだ。
三国志キャラを使わずに、オリキャラでやった方が高評価受けたと思う。
分類としてはトンデモ三国志本になると思うが、
作者は真面目に書いているのは読み取れる。
それだけに黒歴史に埋もれたのは惜しいw
- 作者: 石川英輔
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1995/09
- メディア: 文庫
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