『SF三国志』 石川英輔

SF西遊記が「スタージンガー」としてアニメ化され、

それなりに小銭を稼いだ石川英輔が、

もう一発当てようと書いたのが、「SF三国志」である。

結果は惨敗。

SF界からも三国志界からも黒歴史として封印されたw

三国志の舞台を宇宙に移し、三国志キャラが宇宙船で戦うという設定。

地政学的に特異な三国の国境が、惑星「魏」惑星「呉」惑星「蜀」と分断され、

地政学の面白さを捨てたのが最大の敗因。
三惑星間で戦争が起こるのは、

軌道が近い惑星同士という別のルールを導入したつもりみたいだが、

ロケットの燃料を余分に使って裏をかく作戦は白けるよな。

トンデモ三国志としては、貂蝉が蜀陣営で参戦するが、

トンデモない三国志ものはイパーイあるので、インパクトは弱い。

SF戦の指揮官としての孔明は、かっちょ良かったがね。

司令宇宙ステーションの中で、たった一人で、

マルチスクリーンに映し出される多数の戦闘画像を同時に解析し、

瞬時に指揮するのだ。

三国志キャラを使わずに、オリキャラでやった方が高評価受けたと思う。

分類としてはトンデモ三国志本になると思うが、

作者は真面目に書いているのは読み取れる。

それだけに黒歴史に埋もれたのは惜しいw 

SF三国志 (講談社文庫)

SF三国志 (講談社文庫)