『星からの帰還』 スタニスワフ・レム
普通人が想像出来ないものを
想像してしまう天才レムの未来社会ものである。
タイトルは宇宙テーマものみたいだが、
亜光速で星間旅行した宇宙飛行士は、
浦島効果により、百年後の未来の地球に帰還することになる。
「未来への帰還」というタイトルの方が相応しかったと思う。
で、想像出来ないほど変わり果てた未来の地球社会の描写が、
宇宙飛行士の視点から延々と述べられる。
さすがレムという未来社会だが、お話としては、はっきり言って退屈ですw
ひとつレムの凄い想像を紹介しておこう。
未来人はどんな服を着ていると思いますか?
普通の人は、TVドラマ「謎の円盤UFO」の
ムーンベースの女性隊員のような、
メタリックシルバー的な尖った先鋭的なイメージを思い浮かべるかもしれないが、
天才レムの想像では、未来人は服など着ませんw
人類の服飾史は、倒した獣の毛皮を防寒着として使用することから始まったよな?
科学が発達した未来社会では、天候改造オペレーションにより、
完璧な気象コントロールが行われる筈で、
防護服としての服は無意味になる筈である。
服は装飾品の意味もある。
未来人はペイントスプレーを裸体に噴きかけてオシャレするのだ!
ペイントしているとはいえ、素っ裸で若い女が街中を闊歩する未来社会!
昔読んだ時は凄い想像だと思ったが、
今思うと、現代日本は既に、
女子高生がミニスカでブラウスのボタンを外し、
パンツやブラジャーが見えても平気な破廉恥な時代になっていたな。
レムの想像通りの未来社会になりそうで怖いです。
20年前の日本人が現代にタイムスリップしたら、
今の女子高生見て驚愕するだろうな。
なんて、破廉恥で嘆かわしい現代日本。
- 作者: スタニスワフ・レム,吉上昭三
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1980/09
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