『言語学 私のラブストーリー』 千野栄一 三省堂

千野栄一の仕事で一番有名なのは、

カレル・チャベック作品の翻訳だろうが、

言語オタクの千野栄一にとって翻訳業は余技に過ぎない。

千野栄一は世界一の言語学者である。

習得した言語は10を越え、

覚えても覚えても言語に対する愛が尽きない千野栄一は、

自分の知識欲を満たすに足る、世界一難しい言語を求めて、

世界中をフィールドワークする。
若い女が大好きで、性欲を満たすために、

社会学のフィールドワークと称して女子高生を軟派しまくった身や大神事と比較すれば、

千野栄一の純粋な知識欲がよく理解出来るであろう。

流浪の果てに千野栄一カフカス山脈の山奥で、

どえりゃあ難しい言語に遭遇し狂喜する。

これが、知識欲に生きた本物の学者の人生である。

タミール語と日本語の共通点を探して喜んでいるような言語学者は小物である。

どんな言語間にも、単なる偶然の一致で、

発音も意味も似た単語は存在するのだ。

小松左京は、日本語と中国語と英語をトリプルクロスさせた小説も書いていたっけなw

言語学 私のラブストーリー

言語学 私のラブストーリー