『黒いカーニバル』 レイ・ブラッドベリ
SF界が生んだ世界最高の詩的な幻想作家。
普通のSF者は「火星年代記」をベストに押すだろうが、
私が一番好きなのは、『黒いカーニバル』に収録されている
「遊園地」である。
大人の心が子供の体に転移してしまい、
子供の遊びの中で残酷なイジメに遭い、
<純粋な子供たち>を呪詛するという話。
テニスシューズと自転車がブラッドベリには似合い、
瑞々しい少年の感性で泣かせる詩人というイメージがあるが、
SF系ファンタジー系というより、ブラッドベリはホラー系の作家として高く評価したい。
無知で野蛮なガキは残酷である。
それを承知しているからこそ、ブラッドベリの美しい物語は永遠に光り輝くのだ。
- 作者: レイ・ブラッドベリ,伊藤典夫
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1976/07
- メディア: 文庫
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