2011-07-10から1日間の記事一覧

『幻獣の書・パラディス秘録Ⅱ』 タニス・リー 浅羽莢子 訳 角川ホラー文庫

フランスの架空都市パラディスを舞台にした中世風ホラーである。ローマ帝国の時代から生きていた魔物(元々はアッシリアの神)と、人間の戦いの記録であるが、リーにしては軽すぎて、リーダビリティが良すぎて、逆にちょっと拍子抜けした。

『デッド・エンド』 山田正紀 文春文庫

想像出来ないものを想像する天才山田正紀。 今回のモチーフは終末神話、宇宙の終わりである。これは山田正紀の宇宙もの本格SFの第一作だが、完成度は物凄く高い!世界一の破滅SFだと断言する。これを越える悲惨なデッドエンドは有り得ない。

『監禁』 ジェフリー・ディーヴァー 早川文庫

素直にリンカーン・ライムシリーズのみ読むべきだったな。誤訳の臭いがプンプンする問題外の作品。

『風が吹いたら桶屋がもうかる』 井上夢人 集英社文庫

役に立たない(発動のコストパフォーマンスが悪い)本物の超能力者の元に持ち込まれる相談を、同居人の名探偵が華麗な推理を展開し、事件にしてしまい、びっくりした依頼人が自力で事件を解決するというパターンのユーモア短編集。推理小説は、超能力者を笑い…

『思想のドラマトゥルギー』 林達夫+久野収 平凡社ライブラリー

本書のベストセリフ林達夫「ボッシュに非常に期待していたけれども、 画としてはがっかりしたな。 深みから言えば、後のブリューゲルのほうがずっとあるな。 しかし、話はまた逸れるが、 プラド美術館では、何といってもゴヤです。 そのすごさにかなうものは…

『林達夫セレクション(3)精神史』 鶴見俊輔監修 平凡社ライブラリー

本書のベストセリフ「国家は支配階級が被抑圧階級に及ぼす支配と抑圧とを維持する機関である」

『林達夫セレクション(2)文芸復興』 鶴見俊輔監修 平凡社ライブラリー

本書のベストセリフ「文献学者の魂の中には、これらの現実主義者の全然窺い知るを得ない珠玉が光っていて、彼等は実にその光に導かれているのである。その珠玉とは即ち真理のために真理を求める、利害を超越した純粋なる知識の愛にほかならない。そうしてこ…

『日本人をやめる方法』  杉本良夫  ちくま文庫

ハウツーものかと思ったが、比較文化論による日本人論である。実は共産主義の全体主義の人権侵害国家日本!世界の敵、地球の敵の日本を棄てて、世界市民になる動機を固めるにはいい本である。著者はオーストラリアに移住したので、オーストラリアの情報しか…

『「日の丸・君が代」の話』 松本健一 PHP新書

本書のベストセリフ中田英寿「君が代はダサイ。歌うと気が落ちてくる。戦いの前に歌う歌ではない」 さすが、世界のヒデである。日本国民全員を敵に回しても、ヒデのサッカー能力を欲しがるぎゃーこくはイパーイあるので、ヒデには痛くも痒くもないざんすwナ…

『子どもが減って何が悪いか!』 赤川学 ちくま新書

本書のベストセリフ「疑似相関を見破ることこそ、学問の醍醐味」 「御用学者はいい、相関しない嘘データでわめき散らしていれば、金もたまるんだからな!」という本ですwタイトルがガンダムネタなのはマジです。キャプテンハーロックや山本おさむの「ドング…