『日本人をやめる方法』  杉本良夫  ちくま文庫

ハウツーものかと思ったが、

比較文化論による日本人論である。

実は共産主義全体主義の人権侵害国家日本!

世界の敵、地球の敵の日本を棄てて、

世界市民になる動機を固めるにはいい本である。

著者はオーストラリアに移住したので、

オーストラリアの情報しかないが、

この本読めばオーストラリアのファンになること間違いなし!
アボリジニを虐殺して入植したイギリス人の子孫がオーストラリア人だが、

現在はアボリジニの人権を認め、

国有地はアボリジニに返還しはじめているらしい。

あとオーストラリアの素晴しい人権感覚は、

他国人を守る法律が整備されつつあることである。

他国に旅行するには、自国のパスポートと他国のビザが必要だが、

他国がビザの支給を拒否すると、

抗議する方法はないのが常識だったが、

日本赤軍派の入国を拒否したオーストラリアは、

その情報が日本政府からの陰謀だったと発覚し反省し、

ビザ拒否が正当か否かの査問機関を作ったのである。

政府は、自国の反政府的な人物に嫌がらせするために、

他国にビザ拒否を根回しすることがあるのである。

ちなみに赤軍派扱いされ嫌がらせされたのは、

社会学者の日高六郎である。

政府に睨まれたら海外旅行も出来ないざんすよw

個人の行動の自由を奪う政府なんてイラネ。

で、オーストラリアの大学で教授している杉本良夫であるが、

彼は学生に自分の論文や本を書評させる授業をするそうである。

杉本良夫が高得点を付けるのは、

自分に反論し、代替案を提示する学生である。

「先生の説は素晴しい!」

などと言う学生は最低の馬鹿扱いするそうである。

常に二極に立って思考することを杉本良夫は要求する。

一面からのみ見る絶対的思考は甘いと認識している杉本良夫は一流である。

相対的に比較する思考とは、

違いを考えると同時に、

違わない点も考えるべきだと語る。

オーストラリアに逃走して日本での闘争を止めたせいか、

左翼系リベラリストの中でも杉本良夫はマイナーかもしれんが、

右も左も超克した松本健一さえ凌駕する思考の冴えもみせる。

政治体系と文化体系をすりかえる論議

杉本良夫は警鐘を放つ。

天皇制は文化として語るべきではない。

政治として語り、民主政治には必要ない制度なので、

廃止すべきだと断言しましょう!

語学学習は書いて覚える方法を杉本良夫は勧めている。

語学はスポーツのようなもの。

毎日の地味な基礎練習の積み重ねが大事だそうである。

が、運痴がいるように、

語学の才能も先天的な要素があるかもしれないと言っている。

母国語より外国語の方が達者になることはない。

ようは、まともな日本語を書けない奴は、

外国語もまともに取得出来ないということざんす。

はっきり言えば20代後半から外国語を学んでも、

取得するのはデラ難しいということざんす。

でも、地獄の全体主義国家日本から脱出するには、

外国語の取得は必須。

皆さん頑張りましょうね。

日本人をやめる方法 (ちくま文庫)

日本人をやめる方法 (ちくま文庫)