2011-06-18から1日間の記事一覧

『この人を見よ』 マイクル・ムアコック 峯岸 久 訳 ハヤカワ

本書は−−−気違い男、予言者のカール・グロガウアー、時間旅行者であり、ノイローゼにかかったなり損ないの精神病医であり、意味を探し求める人、マゾヒスト、死への願望と救世主コンプレックスを持つ人間であり、時代遅れの人物の二十世紀とその二千年前での…

『黒曜石のなかの不死鳥』 マイクル・ムアコック 井辻朱美訳 ハヤカワ

卑怯で疑い深く気の小さい、ヒロイックファンタジー最強のヒーロー、エレコーゼの新たな試練は、並行世界に転移され、ウルリック・スカーソルの名で、自分と敵を探索する事だった。平和な地球に帰る事はできるのか?

『剣のなかの竜』 マイクル・ムアコック 井辻朱美訳 ハヤカワ

「ブラス城年代記」に共通する思想を具現化した素晴らしい作品。現実逃避の手段としてSFを読んでる奴は読まない方がいい。

『OCTAGON』 FRED SABERHAGEN  BAEN BOOKS

バーサーカーも登場するフライングバッファロー社のSFロールプレイングシミュレーションゲームを コンピュータネットワーク上でプレイしていたカール・タルタグリアは、 バーサーカー社の戦闘ロボットに襲われ現実世界で死亡した。 タルタグリアが演じてい…

『カエアンの聖衣』 バリントン・J・ベイリー 冬川亘 訳 ハヤカワ

社会学SF>文化人類学SF>民俗学SF>服飾芸術SF、と思わせて、「トリフィドの日」になってしまうのはちょっと興ざめした。異なる文化間には斥力が働く。社会学に相対性理論や素粒子論のような基本原則は存在するのか?

『仮想空間計画』 J・P・ホーガン 創元

これはホーガンの弟ではなくてホーガン本人が書いたと思われる。仮想空間を作る為の知覚を騙す技術の作り方が、現代科学に基づいていて勉強になります。五感の内、もっとも再現するのが難しいのは臭覚だとか、雑学のネタとして参考になります。

『ガニメデのクリスマス』 アイザック・アシモフ 浅倉久志 訳 ハヤカワ

「地球種族」 「金星の混血児たち」 「虚数量」 「遺伝」 「歴史」 「ガニメデのクリスマス」 「地下鉄の小男」 「新入生歓迎大会」 「スーパー・ニュートロン」 「決定的!」 「幽霊裁判」 「時猫」 一番面白かったのは「決定的!」である。

『神々自身』 アイザック・アシモフ 小尾芙佐 訳 ハヤカワ

本書はアシモフSFの最高傑作である。ファウンデーションもロボット工学ものも、論理的なSFの世界に展開されるミステリの面白さなのだ。言い切ってしまえば、本書はアシモフが書いた唯一のハードSFである。

『カリストの脅威』 アイザック・アシモフ 冬川 亘 訳 ハヤカワ

「カリストの脅威」 「太陽をめぐるリング」 「一攫千金」 「時の流れ」 「おそろしすぎて使えない武器」 「焔の修道士」 「混血児」 「秘密の感覚」 一番面白かったのは「時の流れ」である。

『逆転世界』 クリストファー・プリースト 安田 均 訳 創元

本書は数学的現実認識SF文学である。回転する双曲線が作る歪曲した弓状世界が逆転世界である。双曲線はx、y軸に無限に近づくが、けっして軸線に重なることはない。無限の回転半径を持つ世界が逆転世界である。無限の回転半径ということは、リム速度が光…

『キャッチワールド』 クリス・ボイス 冬川 亘 訳 ハヤカワ

現代スペオペだと思うとラストの方でワイドスクリーンバロックだったと判る話。

『拠点』 A・E・ヴァン・ヴォクト 稲葉 明雄・他訳 ハヤカワ

「拠点」 「音」 「呪縛の村」 「野獣の地下牢」 「モンスター」 「地には平和を」 「消されし時を求めて」 「宇宙シーソー」 「果された期待」 みんな面白いけど「宇宙シーソー」は「イシャーの武器店」の原形です。あのラストはやっぱり長編でやるからこそ…

『銀色の恋人』 タニス・リー 井辻朱美訳 ハヤカワ

女性にとって恋人の第一条件は、見目麗しさだと理解出来ました。 知能も心も二の次なのだ。 外見が美しければ、ロボットでもいいそうです(藁

『銀河の間隙より』 ランドル・ギャレット 風見 潤 訳 ハヤカワ

異星人ナイプの船は死にかけていた。だが、船の前方には、知的生命体が存在していると思われる太陽系があったのだ。ナイプは知力と体力の限りを費やして、その第三惑星に不時着した。知的生命体であるならば、他の知的生命体に協力するのは間違いない真理だ…