『黒曜石のなかの不死鳥』 マイクル・ムアコック 井辻朱美訳 ハヤカワ

卑怯で疑い深く気の小さい、ヒロイックファンタジー最強のヒーロー、

エレコーゼの新たな試練は、並行世界に転移され、

ウルリック・スカーソルの名で、自分と敵を探索する事だった。

平和な地球に帰る事はできるのか?
謎を解く為には<黒の剣>を手にしなければならない。

エルリックの世界では<ストームブリンガー>、

ホークムーンの世界では<夜明けの剣>、

ローランの世界では<デュランダーナ>、

アルトスの世界では<炎の剣>として

具象していた永遠に転生する意志ある剣を!

エレコーゼの剣も部分的化身でしかなかったのだ。

赤色矮星と化した太陽を持つ冷え切った未来のどこかの地球を、

放射能漏れのある原子力戦闘機で飛翔してまで、

エレコーゼがしなくてはならない事とは何か?

永遠の戦士が倒さなくても、

この地球の人類も亜人類もどうせすぐ滅亡する運命なのに・・・。

一巻ほどの感動はないが、

謎が膨れ上がって中継ぎとしては巧いだろう。

プロローグで、

あのオーベック(エルリックの先祖だっけ?)が登場します。

黒曜石のなかの不死鳥―永遠の戦士エレコーゼ〈1〉 (ハヤカワ文庫SF)

黒曜石のなかの不死鳥―永遠の戦士エレコーゼ〈1〉 (ハヤカワ文庫SF)