『仮想空間計画』 J・P・ホーガン 創元
これはホーガンの弟ではなくてホーガン本人が書いたと思われる。
仮想空間を作る為の知覚を騙す技術の作り方が、現代科学に基づいていて勉強になります。
五感の内、もっとも再現するのが難しいのは臭覚だとか、雑学のネタとして参考になります。
ヴァーチャル世界にジャックインするのに、端末を頭にしか付けないサイバーパンクは、
如何にSFとして科学考証が足りないかよく判ります。
触覚は頭の脳まで行かなくても、脊髄に端子を付ければ、充分誤魔化す事が出来るのだ。
いくらリアルな仮想空間を作ったとしても、現実を再現するだけなら、リアルなゲームという、
単なる子供の玩具であるが、この小説では、仮想空間を作る目的が、
人工知能を教育する為だと言うのは説得力がある。
現実と変わらない、リアルなだけの仮想空間なら、現実世界で充分である。
ハードSFとして、最低限の面白さはあるが、ホーガンならではの、アッと驚く感動は薄いか?
- 作者: J・P・ホーガン,James P. Hogan,大島豊
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1999/07/16
- メディア: 文庫
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