『闇の太守』 山田正紀 講談社文庫

「出雲人外宮」
飛騨桃源郷」
「氷見痩面堂」
甲州陽炎城」

の四編で構成されたオムニバス。

日本の戦国時代を舞台にしたヒロイックファンタジーだが、

豊田有恒ヤマトタケルシリーズの四倍は面白い!

敵はヤマタノオロチの斬られた首八本の瘴気から妖怪になった人間。

主人公はスサノオノミコトの子孫!

もちろんスサノオが持っていたあの魔剣を振るいますぜ!

実在歴史人物が実は妖怪だったというパターンだが、

明智光秀が味方なのは素晴しい!

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『砂漠のテロリスト』 ボブ・ラングレー 創元推理文庫

ラスト100Pは素晴しいが、

そこに至るまでがクソツマラン諜報小説。

小説って言うか、

出来の悪いハリウッド映画の台本のレベル。

ラスト100Pのアクションや人間関係の描写が無ければ、

ラングレーはポイ出来るのだが、

見捨てるにはやはり惜しい作家ではある。

前半はレベルが低すぎて映画化不可能、

後半はレベルが高すぎて映画化不可能という珍しいパターンw

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『トップレス・バーの女』 ヒラリー・ウォー ケイブンシャ文庫

私立探偵サイモン・ケイシリーズ。

警察小説の第一人者のヒラリー・ウォー と言えども、

野蛮で破廉恥な事がお約束のハードボイルドでは、

魅力が半減するかもと

読むのを最後にとっておいたこのシリーズだが、

ハードボイルドの常道とパターン外しの匙加減が素晴しい!

キャラ立ちはマイクル・コナリー のハリー・ボッシュより上。

普通の主人公なら絶対しないシチュエーションの妙は

イアン・ランキン のジョン・リーバスものにも匹敵する。

ギャビン・ライアル の主人公のように

ストイックな仕事のプロを描いた傑作。

国連予算で30億部刷って

ジェンダーの呪縛から男を解放するバイブルとして

全世界に配布すべき作品。

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『闇の太守Ⅱ―御贄衆の巻』 山田正紀 講談社文庫

男女も生死も超越した超絶剣法と超絶忍法が火花を散らす傑作!

佐々木小次郎燕返し誕生には、

忍法<夢幻泡影>破りがあったという、

山田風太郎へのオマージュにもなってます。

もちろん不死身の忍者出ますぜ!

1巻の主人公の贄塔九郎はラストの30Pにしか出て来ないがw

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『バッド・チリ』 ジョー・R・ランズデール 角川文庫

ハップ&レナードシリーズ。

のっけから大アクションが爆裂する。

森で恐怖の野生動物に遭遇する二人。

銃を乱射し、車で体当たりしてやっとの思いで倒した、

その凶暴な野生動物は…、

♪可愛い可愛い、コ、リ、ス

 あしたも遊ぼうね、ホッホ♪

であるw

そして二人に迫る新たな脅威!

二人の金玉が大ピンチ!

レナードにはダニがとり付き、

ハップは氷漬けにされたうえ電流を流される!

主人公のピンチを救うのは、

『凍てついた七月』 のジム・ボブ・ルークである。

今回は三人主人公で、

例によって血塗れウンコ塗れの大活劇!

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『闇の太守〈3 梟雄の巻〉』 山田正紀 講談社ノベルス

2巻までのキャラが複雑に絡み合い死闘を展開する中に、

新たな第三勢力も現れて物語りはさらにヒートアップ!

忍法合戦も山田風太郎に匹敵する面白さ。

戦国大名は全て残忍な殺人鬼であるという歴史認識も素晴しい!

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『闇の太守〈4 桃源の巻〉』 山田正紀 講談社ノベルス

主人公側の忍者チーム「御贄衆」が壊滅すると聞いていたが、

最終巻なんだからそれもありとあまり気にしてなかったが、

全七章のしょっぱな、第一章で全滅するという凄さ!

「御贄衆」は主人公の部下のチームなので、

唯一人生き残った主人公が反撃を開始するパターンかと思うと、

第二章で主人公も最後を迎える!

こうなると「実は生きていた!」のパターンだが、

そのパターンも二転三転する怒涛のストーリー展開で一気読みです。

戦闘シーンも読みどころ満載だが、

塚原ト伝との戦闘シーンが特に凄い!

日本史で一番強い人物はやはり塚原ト伝だよな。

ラストが駆け足になった感があるが、

光秀と秀吉の死のシーンはあるが、

信長は描写しないのが、正紀の信長嫌いが顕著でナイスであるw

山田風太郎をオマージュして、

結末はあっと驚く荒山徹ワールドに着地するというのも凄い!

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『超音速漂流』 ネルソン・デミル&トマス・ブロック 文春文庫

SFの名作「冷たい方程式」に匹敵する冷徹な悲劇性が素晴しい!

物理法則に逆らう筋力を持たない赤ん坊や子供が最初に死んでいくのが素晴しい!

本来なら救助する者が敵になるのも凄いサスペンス!

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『五つの標的』 山田正紀 光風社文庫

「地下鉄ゲーム」
「真夜中のビリヤード」
「四十キロの死線」
「ひびわれた海」
「熱病」

の五編が収録されたミステリ冒険ノワール短編集。

一個目の「地下鉄ゲーム」が

細野不二彦の『東京探偵団』の「MOBIUS・EXPRESS」を彷彿させる傑作。

細野版は無限の環が更に発散するが、こちらは収束するが、

こちらの電車ジャック犯人は見事に逃げ延びます。

SFじゃないよ。知的興奮する鉄道ミステリである。

メビウス・エクスプレス」に興奮した鉄ちゃんは、

「地下鉄ゲーム」も必読である。

全体の雰囲気はギャビン・ライアル稲見一良 路線の

男たちの危険なゲームものだが、

青春ノワールの風味もあります。

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『キリスト教は邪教です!』 フリードリッヒ・ニーチェ 講談社+α新書

ユダヤ人は遺伝子学的にウソツキの体質だとか、暴言の嵐が目茶面白いニダ。

超訳で暴走しまくり!

ニーチェが「バカの壁」やセカチューを語るw

西洋哲学はキリスト教に汚染されているので、

高名な哲学者達もバッタバッタと斬ってます。

同胞のカントやライプニッツもキ○ガイ扱いである。

キリスト教はコケ下ろしているが、

ナザレのイエスには暖かい視線を投げかけているので、

エスファンが読んでも楽しめます。

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