「居酒屋カントリーズ」 四日市南高校 黒田めぐみ作 (創作)

家族愛ものというか、友情ものというか、

楽家もの、芸術家ものです。

居酒屋の孫娘あかりは、クラスメートに誘われて文化祭でバンド演奏をすることになり、

開店前の店を練習場所として提供する。

あかりのパートはドラム。

ギターは初心者の女の子、ベースは発起人の男の子。

だが、男の子は交通事故に遭い、片手が使えなくなる。

最低三人編成でないと、バンドでないと苦悩する男の子だが、

仕方ないので、「ゆず」のようなアコギ2本のグループに変更。

あかりにアコギを弾かせようとするが、

あかりはギターにも詳しかったが、ギター演奏はかたくなに拒む。

実はあかりの姉はギターに狂って、プロのミュージシャンになると、

家出していたのだ。

自分までもギターにのめりこんでは、母が心配するというあかり。

音楽は人と人との間にハーモニーを響かせるもの。

自分がギターが好きでも、家族が不愉快に思うのなら、

ギターは演奏できないと主張するあかり。

自分の夢実現の為なら、家族や他人を傷つけてもかまわない。

という無神経な生徒がでかい面してる現代に、

素晴らしい生徒を描いた、本物の芸術テーマの傑作である。

あかりの姉にギターを教えたのはあかりの祖母であり、

祖母がなんとか母を説得するということで、

あかりは、ギターを手にする。

ところが、文化祭にケーブルTVが取材しに来ることになり、

邪巣悪に因縁付けられるから、

音楽を発表する生徒は、全てオリジナル曲を演奏せよ!

と学校側から通達が来る。

男の子とあかりはオリジナル曲の製作に挑む。

そして、文化祭がやってくるが、

それは舞台では演じない。

あかりたちの曲の演奏は、文化祭を観に行けなかった祖母の為に、

居酒屋で演じられて幕となる。

まず、居酒屋のセットが全国レベル並みに丁寧に作りこまれていて素晴らしかったです。

上演が終了した時、「もう終わりかよ」

と思わず呟いてしまった傑作。

プロとして芽が出はじめた姉との感動の再会シーンを期待したのだが、

それはないまま、幕となったのは残念。

我侭な女子高生が自分のストレス解消の為に舞台上で

素で遊んで暴れるだけの高校演劇が多い中、

幕が降りたとき、「もう終わり?」

と残念になる四日市南の演劇は、本物の素晴らしい芸術作品です。

女子生徒が全員ズボンなのも、お上品で良かったです。

いくらブルマ(短パン)はいているからと言って、

太腿剥き出しのミニスカートで舞台に立つ高校は、ちょっと下品ですよねw

1位で三重県大会突破、中部大会に出場。