岐阜県立関高校「オクラホマ!〜打ち上げ式友情論〜」関高校演劇部作(創作)

学園友情もの

なんて瑞々しくて清々しい高校生達だろう!

真面目で純粋で上品な人柄が役柄を越えて伝わってきます。

某高校等の破廉恥演劇で汚染された心が浄化されますた。

どこにでもある普通のこの高校の文化祭は、

教師の管理が強くて、フィナーレは教師達のストレス発散の為の教師達の合唱やら演劇で締めくくられていた。

そして今年のフィナーレイベントは、

教師達も飽きたのか、生徒を主役にすると言う。

全校生徒でオクラホマミキサーを踊りなさい。ときたもんだ。

神聖なる学び舎での文化芸術の発表会で、

男子と女子が手を繋いで踊る破廉恥行為をしろとは、許せませんわ!

生徒の生徒による生徒の為の文化祭を目指して、生徒会執行部(女5人男2人)は立ち上がる!

フィナーレを花火大会にしようと画策する生徒会執行部。

その活動の中で、様々な硬派な事が表現される。

「女子の友情なんて本物の友情ではありませんわ。ただ、群れているだけですわよ。」

「わたくしはクラスで孤立している可哀想な少女ではなくてよ。まがい物の友情には興味がありませんの。」

「他のクラスにはお友達はおります。一緒に御不浄にいくのがお友達なんて、笑止千万ですわ。」

と語るメガネ少女。

ヒロインは何事も一生懸命にやるが、ドジでついつい失敗してしまうが、

いじらしくて可愛いので、みんなは守ってあげたいと思ってしまう、

雛のような美少女で役名はもちろんひな(藁

メガネ少女はひなをお荷物と公言するが、

ひなが落とした書類を取ってあげようとしたそうじろうの手とひなの手が重なり、

びっくりして後ろに飛びずさってしまうひな。

なんて、純情なんだ。

そうじろうはひなにメロメロになる(藁

いまどき、男子と手と手が触れただけで驚く女子高生なんかいるかよ。可愛っ子ぶってんじゃねえ!30年前の脚本かい!

と突っ込みたくなるところですが、

演技に嫌味がなくて、本当に真面目で上品な女子高生に見えます。

そうじろうはひなに告白するが、いつもひなを庇ってくれる親友やよいがそうじろうを好きだったので、もおたいへん。

告白されたことをやよいに言う前に、やよいがそうじろうに告白したので、

二人の友情に罅が入る。

そのことを知って、自分が愛を貫くとひなとやよいの友情を壊すことになると苦悩するそうじろう。

そうじろうは親友りょうに自分はやよいと付き合うべきかと相談するが、

自分を偽って付き合うのはやよいに失礼だとりょうに一喝される。

愛してしまったのなら仕方ない、全身全霊で真摯にひなを愛せ!

と語るりょう。

文で書くと如何にも臭い芝居みたいだが、

演技力あるので、この男子の掛け合いシーンも圧巻である。

りょうは傷心のやよいを慰めにかかる。

ギャグで笑わしてやよいを励ましながら、やよいに告白してしまうりょうの演技も絶品。

真面目で純粋で上品な関高といえども、

キャストにコギャルが一人もいないのは白々しいので、

生徒会執行部にも一人れいなというコギャルはいるが、

れいなの化粧が全然似合ってないのが微笑ましい。

お芝居だから生まれて初めて化粧したと思えます。

れいなの友人として他にも二人コギャルが出てくるが、

みんな髪は黒です。

髪を染めるのはお馬鹿な不良です。

化粧はお芝居が終わったらすぐ落とせるが、

演技の為だといえど、関高生の真面目な気質は茶髪の存在を許しません。

コギャル間の友情は、れいなが金持ちだから、

れいなの金目当てに群れていると提示されます。

しかも、コギャルしか舞台に居ないとき、

照明が最低限のレベルまで落ち、

コギャルの演技は顔が判別出来なくなり、

ほぼ、影と声だけの演技になる演出が素晴らしい!

善を描くためには対比として悪も演じる必要もあるが、

真面目で上品な関高生には、コギャルなんていう下品な存在にスポットライトを当てるのは耐えられないのだろう。

で、文化祭のフィナーレだが、ひなの発案で全校生徒から署名を集めて、

教師に抗議するが、教師を説得出来ずに挫折する。

教師に急かされて、オクラホマミキサーに参加すると思われたが、

それでもダンスは拒否して、花火を打ち上げる為に、

一人また一人と生徒会室から消えていくキャスト。

最後に残ったひなとやよいが友情の復活を確認している時、

オクラホマミキサーの曲が流れてくる。

「間に合わなかったね」

「いいんじゃない」

生徒会室の明かりが消えて、美しいシルエットの演技で握手して

二人が消えて幕。

並みの脚本ならラストはキャスト全員でオクラホマミキサーを踊って終わるところだが、そうしない
のが素晴らしい。

お芝居といえど、男女が手を繋いで踊るなんていう破廉恥なシーンを演じたがるのは、芸術ではなく
て、猥褻目的です。

破廉恥演劇の多い中、素晴らしい硬派の真面目な舞台で良かったです。

書き忘れたが、ひなのドジを表現する為にひなは何度もコケるのだが、

このコケ方も素晴らしく巧いです。

メガネ少女が集めた署名が一番多かったというエピソードもいい。

れいなは途中から遅刻して登場するが、最初から小道具で、

もう一人のメインキャストの登場が暗示されているのも巧い。

一人目立たないキャラがいて、キャラ立ちが万全ではないが、

七人の生徒会執行部員の物語であり、

七人の部長のように高校演劇のスタンダード脚本として、

広く全国に広まるべき優良な脚本である。

大道具が弱いから、全国レベルには達してないが、

これが中部大会に出場出来ずに、県大会止まりになるのはもったいない。

中部枠3校だもんな。

普通なら、農林、岐南、総合が順当だから、ちょっときついか。

けど、中部大会に行ってホッシイ。

それから、幕間討論会のキャスト紹介で関高生は、

「○○役をやらせて頂きました××です」

としっかり敬語使っていたので感心しました。

大人の常識では客の前で丁寧な言葉使うのは当たり前だが、

大多数の高校が、

「○○役をやりました××です」

と喋る現状では、関高の素晴らしさがとりわけ光ります。

あっ、関商工も敬語使ってました。

関市の教育がしっかりしているということだな。

関商工のネタをここに混ぜるということは、もうこれ以上他校の批評感想を書く気がなくなったということです。

関高の演劇が素晴らしかったので、この「オクラホマ」をネタに二次創作したくなったのです。

美しい言葉で美しいドラマを語りたい。

続編のタイトルはフォークダンスシリーズで、

「マイムマイム」に決まりだな。

「マイムMy夢」として、ひなたちの進路がモチーフだな。

ひながコケるのは筋肉萎縮症という病気の伏線だったということで、

病人が元気にセックス出来るわけがないから、

純愛路線でひなが病死するまで続けられるわけです。

目指せ、第二の「世界の中心で愛を叫ぶ」だな(藁

「世界の中心で愛を叫ぶ」の元ネタの、

「世界の中心で愛を叫んだもの」の元ネタの、

世界の中心で愛を叫んだけもの」の元ネタの、

「俺には口が無い、それでも俺は叫ぶ」

フォークダンスネタとは外れるが、シリーズ最終巻のタイトルだな。

「マイムMy夢」のネタとしては、パントマイムも入れるべきだな。

最終巻では、宗次郎が聾唖者になってる雰囲気なので、

パントマイムというより手話劇に近くするといい感じか?

ん、最後は雛は足も手も動かなくなるよな。

手話覚えても、意味なくなるじゃん!(藁

逆に悲劇性高まって泣けていいか。

宗次郎は耳は聞こえるが、口は動かないというか、

事故でやけどして口が癒着してしまうんだな。

死ぬ直前は雛の口も動かなくなり、呼吸も出来なくなって雛は死ぬのだが、

死ぬ前に世界の文化芸術の中心の国スペインに行きたいといい、

プラド美術館ゴヤの絵の前で雛は死ぬのだな。

(サトゥルヌスよ、俺には喰らう子もいない、)

(それどころか、喰らう口が無い、それでも俺は叫ぶ)

(××××××××××ー!)

で完だよな。

「マイムMy夢」用の名セリフとしては、良が、

「ひまわりは何故太陽の方を向くか判るかい?」

「それはね、○○を○○○○○○に○○○を○○○○だからだよ」

という感じ?

妄想は膨らむばかりです。