作新学院高校(関東ブロック)「超正義の人」大垣ヤスシ作(創作)

行列ものというか

生徒指導ものというか

女子高生妊娠ものというか

正義のヒーローバンブーマンの話です(藁

(「ラーメン食べたい!」+「トシドンの放課後」+「〜コノフクヌギタイ〜」)/3*2って感じ?

県レベル並みの高校の2倍以上の能力を作新劇部は持っていることが判ります。

「ラーメン食べたい!」ネタはほんの前座であり、

すぐ「トシドンの放課後」のセットに暗転し、

「〜コノフクヌギタイ〜」となり正義のヒーローバンブーマンに変身するのです。

例えがマイナー過ぎるか?(藁

大垣先生の作品は「ジャンパラヤ」が大好きだったので、

超期待したのですが、ハッピイエンドにならなくて、

いまいちすっきりしませんでした。

観客を感動させるというよりも、

作新劇部の実力を提示するのが目的に思えた。

みなみは自主退学を思いとどまって欲しかったし、

本当に妊娠している生徒に、教師が気付いてないのは、

流産等の悲劇が生徒にみまわれそうで、すっきりしない。

「泣き女」も救われていないし、

主人公はなにかしらの成長はしただろうが、

夜遅くまでヒーローごっこに付き合ってくれる担任がいたのだから、

成長する前から救われていたようで、

主人公の成長も感動を呼ばない。

はじめて会ったみなみに感情移入してしまい、

救えなかったことを泣く主人公は、

正義の人だからというより、みなみが美少女だったからと

勘繰ってしまう。

高校生が妊娠するというモチーフは、

生命の尊さを訴えるには訴求性があるかもしれないが、

生命は尊いが、高校生のセックスはいかんというアプローチが多くて食傷気味。

大人でもセックスしないのが理想だと明言すればよいと思う。

セックスしなくてもクローン人間作れば、人類社会は維持出来ます(笑)

私が笑えたのは、たけしと校長を間違えるシーンだけでした。

オープニングは並みのギャグでたいして笑えませんでした。

乱闘は、たいした怪我する可能性もない演技で、私には迫力不足でした。

椅子投げたり、殴りあうだけのアクションは陳腐ですな。

そんな乱闘表現は見飽きています。

岐阜農林のリヤカーアクションは日本一ですな。

キャラが深みを増していく展開は良かったですね。

全ての人間が深い心を持つ存在だという、

他人の人権に留意している人物造形は素晴らしいと思いました。

未熟な高校生の創作劇には、主人公だけが素晴らしい人間で、

脇役はカスのタコだという脚本もありますが、

さすが大垣先生は判ってらっしゃる。

他は「幽霊部員はここにいる」しか見られなかったので、

比較出来ないが、国立劇場に行けるような気がします。 

悲劇であるなら、タケシの慟哭で終わるべきだと思いました。