読書メーターまとめ

10月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:2941ページ
ナイス数:31ナイス

神の足跡(下) (講談社文庫)神の足跡(下) (講談社文庫)
「誰がふさわしい男なのか?」「なぜ男だと考える?」「では、女だと?」「そうは言ってない」人工知能コンピュータ=機械知性は完成し、お約束の人類支配を企む!デッドマンスイッチが誤作動し20発の核ミサイルが発射される!!ゴルゴダの丘で神の電撃に撃たれ、全てを悟った主人公は、暴走コンピュータを止める為に、コンピュータに自殺を決意させる口車を展開!神の知恵は機械知性を説得することが出来るのであろうか?SFにするしかない展開だが、SFと解釈しないですむように、別解も巧く提示されます。白い砂やらの伏線回収もばっちり!
読了日:10月04日 著者:G. アイルズ
楽しく学ぶ数学の基礎 数と式、方程式、関数、あなたのつまずきは、これで解消! (サイエンス・アイ新書)楽しく学ぶ数学の基礎 数と式、方程式、関数、あなたのつまずきは、これで解消! (サイエンス・アイ新書)
中学で躓いた人向けだが、ほぼ全ページでイラストギャグ(2コマ漫画)をやっており、漫画並みにアッと言う間に読了出来ます。%の概念を説明するのに宇宙戦艦ヤマトを例に出したり、何の関係もないのに「野球狂の詩」の水原勇気が出て来たり、アニパロ漫画としても楽しめます。「挨拶なんてしなくても生きていけるぜ、俺には数学がある」というギャグが一番気に入りました。著者は現役中学教師でもあるから、もちろんギャグだよね(笑)対人コミュニケーション能力がなくても、数学の豊穣な海に感動する能力があれば、それは幸福な人生ですよね。
読了日:10月05日 著者:星田 直彦
競売ナンバー49の叫び (ちくま文庫)競売ナンバー49の叫び (ちくま文庫)
「ぼくの大きな過ちは愛というものだった。きょうこの日からぼくは愛に近づかないことを誓う。異性愛、同性愛、両性愛、愛犬、愛猫、愛車、あらゆる種類の愛に近づかない。孤立する者の協会を設立してこの目的に奉仕する」などのような反体制組織が潜むアメリカの狂気を女探偵が捜査するミステリ純文学。謎は全て明確にはなりません。主人公にも精神疾患の疑惑があります(笑)レメディオス・バロの絵「呪文」にインスパイヤされて書かれたらしい。バロ展に迷い込んだ主人公が「大地のマントを刺繍する」の前で号泣する素晴しいジェンダーもの。
読了日:10月09日 著者:トマス・ピンチョン
破壊軍団 (トクマ・ノベルス―スーパーカンサー・シリーズ)破壊軍団 (トクマ・ノベルス―スーパーカンサー・シリーズ)
スーパーカンサー、それは不死の超癌細胞を持つ不死身の超蟹男。世界中に戦争を起こして利益を得る武器商人の陰謀に巻き込まれ、県大輔はスーパーカンサーとして目覚める!スーパーカンサーはわずか4時間で死体から復活する、ではそのブロセスを見てみよう「灼熱!脱皮!!」という話です(ちょっと違う)アクションの連続のテンポ良いSF活劇。反日反体制の野暮な話は無しだ。美少女3人も出て来るサービス精神に溢れた話。敵の美女はもちろん犯してしまいますよ。正紀の主人公は孤独の影が付き纏うが、これは軟派な明るい18歳が主人公でレア。
読了日:10月10日 著者:山田 正紀
方法への挑戦―科学的創造と知のアナーキズム方法への挑戦―科学的創造と知のアナーキズム
究極の哲学「なんでもかまわない」が目差すのは、否定不可能とされる絶対的真理「科学」、「科学的合理性」への 挑戦!方法論、認識論、実在論、哲学の全てを駆使して著者は「科学」の権威の引き摺り下ろしに挑む!「科学者」も「宗教家」も「売春婦」も同等の価値にしようと企む著者の渾身の哲学ゲームに戦慄せよ!知的刺激には満ちているが、あくまでもゲームである。論理学まで否定するのは、やりすぎたよな。非論理な思考で他人を説得出来るわけがない。著者が筋が通ってる本を書ける時点で、論理や合理や科学的思考に頼ってることは明確。
読了日:10月14日 著者:ポール・K. ファイヤアーベント
直観でわかる数学直観でわかる数学
形式論理学で、シーケンシャルに、AならばB、BならばC、CならばDとしか理解出来ない筈の数学を、直観でいきなりAからDを理解しても良いのではないか?理解出来るようにしてみせましょうという本。数学は抽象的なので判り辛いので、具象的なイメージに結び付けて本質を理解させようとしているが、抽象概念で思考するのが数学なので、具象に頼らなければ理解出来ないのは、そもそも数学脳ではないので、この本の目差している事は、本質的に無理があるように思う。具象に頼るとみかん2個とりんご3個は足せない、あくまでも2個と3個である。
読了日:10月15日 著者:畑村 洋太郎
推測と反駁-科学的知識の発展-〈新装版〉 (叢書・ウニベルシタス)推測と反駁-科学的知識の発展-〈新装版〉 (叢書・ウニベルシタス)
本書のベストセリフ 「批判と批判的討論が真理に近づく唯一の手段」 近づくだけで究極の真理には辿り着けないと認識している、現代でも意味のある哲学書。講演集なので読み易い。ファイヤアーベントのような悪ふざけが過ぎるギャグ哲学者と違って、 科学教をマンセーするポパーは素晴しいです。 社会科学や芸術も分析していて、 誰が読んでも面白く読めると思います。 社会科学が何故胡散臭くなるのかの分析や、  芸術と言語学を絡めて、芸術=自己表現という概念の 幼さを指摘した箇所は納得。 欠点は決定論を否定していること。
読了日:10月21日 著者:カール・R.ポパー
黒き龍、銀の獅子ー流沙美神伝ー黒き龍、銀の獅子ー流沙美神伝ー
主人公にイスラムの英雄のサラディンの名を付ける作者のセンスは素晴しいですよね。 イスラム系ファンタジーというとタニス・リーに『黄金の魔獣』があったが、 アメリカの陰謀で悪のテロリスト扱いされるイスラムを、 正義のヒーローとして描く小説はもっと出てきてよいと思う。 イスラム系と書いたが、イスラム教発生前の時代らしく、 酒は存在する世界です。 この小説世界は、神々が実在していた世界らしいが、 この物語の時点では、明確な神は登場しません。 実は魔法も登場しないが、 神の子孫の魔法的生物は出て来ます。
読了日:10月26日 著者:舞邑凜

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