『柳生薔薇剣』  荒山徹  朝日新聞社

バラ剣ではなくて、ソウビ剣。 曹美と覚えよう。

曹植さまは美しい貴公子、チィーちゃん、チィーちゃん、ハァハァハァ…。

マジで曹植さまの話題も語られます。

男同士のキスシーンはあるが、

薔薇でもジュネでもサムソンでもなくて、アドンって感じ?

柳生十兵衛の女装シーンもあるし、

腐女子の方は好きなように妄想して下さい。
男装の麗人の女剣士が主人公だが、

他作品に出てきたオスカル様とアンドレは出て来ない。

残念ながら今回は巨大怪獣は出て来ない。

朝鮮妖術師と柳生友景が出てくるのは終盤である。

怪獣やロボットや空飛ぶ円盤が

怪光線出して暴れまわるいつものパターンよりは地味である。

中盤までは普通の時代小説である。

荒山先生のことを知らずに、

普通の剣豪小説と思い込んだ人は、

ラストで異次元での妖術合戦になり、

呆然としただろうな。

ぶっとんだ荒山ワールドに馴れていると、

中盤まで地味過ぎるし、

普通の剣豪小説としては、

妖術師だからと、何の説明もなく空飛んだら呆気にとられるよな。

プロットが未熟というか、整合性に欠ける感じ。

これは妖術出さない方が良かったと思う。

普通の剣豪小説としても、

剣豪を超え兵法家として策を巡らす柳生宗矩

描写がいいので、高評価出来ると思うのだが…。

ちなみに柳生十兵衛はギャグメイカーみたいに描写されてるので、

柳生十兵衛の活躍を期待する人は読まない方がいいだろう。

柳生薔薇剣 (朝日文庫)

柳生薔薇剣 (朝日文庫)