『夏姫春秋』 宮城谷昌光 講談社文庫

抱いた男は全て死ぬか、国を追われる破目になる、

凶風の持ち主、鄭の公女夏姫に関わった男達の物語。

夏姫を抱かなかった楚の荘公(旅)の偉大さがよく理解出来ます。

私は春秋時代で一番好きな国は斉だが、

これを読んで楚もイイ!と思うようになりました。

ちなみに一番嫌いなのは晋です。

鄭視点が多いので、

晋視点では大物とされる趙盾の小物振りも語られ、

晋嫌いには至福の本です。
他人の評価ばかり気にしてる嘘の人格者趙盾w

陰徳の教えが素晴しいですよね。

良い事は他人に知られないようにするべきざんす。

男を破滅させる夏姫は、

ラストで一応救われるが、

「女一人救えないで国を救えるものか!」

と救う人物が楚の大臣なのは気に入らない。

女一人の為に楚を捨て晋に亡命するのだ。

宮城谷作品の中では一番一般受けする作品だと思うが、

宮城谷作品としてはフツーだと思う。

私の現時点のベスト5は、

「天空の舟」
晏子
太公望
孟嘗君
楽毅

である。

次に好きな礼の巨人「子産」 の伯母が、

淫乱娘夏姫だったなんて知りたくなかったw

夏姫春秋(上) (講談社文庫)

夏姫春秋(上) (講談社文庫)

夏姫春秋(下) (講談社文庫)

夏姫春秋(下) (講談社文庫)