『鋼鉄都市』 アイザック・アシモフ  福島正実訳 早川文庫

SFミステリというジャンルを確立した文学史上に残る傑作。

未来の地球人はドームに覆われた鋼鉄都市に住んでいた。

ドーム都市に住むことで人々は広所恐怖症になっていた。

普通の人々にとってドームの外に出ることはとてつもない苦痛である。

そして、人類史で初めての「殺宇宙人事件」が発生する。

殺害現場はドームの外!

人間がドームの外に出ることは考えにくい。

犯人はロボットなのか?

だが、ロボットに殺人なぞ出来る訳がない!

ロボット工学の第一条

「ロボットは人間に危害を加えてはならない。

またその危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない」

は、ロボットのポジトロン脳の中枢に組み込まれており、

人間を助けることが出来なかった場合でさえ、ロボットは機能不全に陥ってしまうのである!
ニューヨーク市警C5級私服刑事イライジャ・ベイリが捜査することになるが、

ベイリにはロボット刑事R・ダニール・オリヴォーが相棒として付くことになる。

ロボット刑事の存在に戸惑いながらも、ベイリは事件の真相を見事に暴く!

漫画「究極超人あーる」の田中一郎にRが付いているのはこの作品が元ネタです。

半村良の「亜空間要塞」でも刑事の名前にRが付いているというギャグをやっていたっけな。

ギャグやパスティーシュの元になるぐらい「鋼鉄都市」はスタンダードな名作である。

鋼鉄都市 (ハヤカワ文庫 SF 336)

鋼鉄都市 (ハヤカワ文庫 SF 336)