『コンピュータ・コネクション』 A・ベスター 野口 幸夫 訳 サンリオ

××世紀、人類は世界中にコンピュータネットワークを張り巡らし幸福に生きていた。

そして実は、ナザレのイエスやなんやかんやの不死人のグループも生きていたのです。

グループのスカウトマン、ギグは、天才コンピュータ技師ゲス博士に、

不死の能力があると判断し、とりあえず殺した。

だが、ゲス博士はコンピュータネットワークにコネクションし、

生体コンピュータとして復活してしまった。
さらに、仲間にならずに不死人のグループに攻撃を始めた。

コンピュータの論理知性を使用できる存在が生命体に敵対する筈がない!

人殺しが大好きな存在といえば・・・、

そう、魂の気位の低いあの神がコンビュータネットワークに寄生してしまったのだ!

かくして不死人のグループは、

神を退治し、

コンピュータを解放し、

ゲス博士を取り返す為に敢然と立ち向かった!!

ナザレのイエスが尖兵?

いえいえ、

知力と論理的整合性を持たない神などという存在にホモサピエンスがマジに戦えると思えますか?

ネアンデルタール人で充分です。

神はネアンデルタール人に殴り殺され、

人類のお友達のコンピュータは人類の元に帰ってくるのである。

本書はベスターの最高傑作である。

いや、ワイドスクリーンバロックの最高峰である。

訳者もなかなか巧いと思う。

ギャグも面白いのよ。

ポルノ雑誌の編集長として生計をたてているナザレのイエスと、

パッパラパー少女の手紙のやりとりは大爆笑必至である。

コンピュータ・コネクション (1980年) (サンリオSF文庫)

コンピュータ・コネクション (1980年) (サンリオSF文庫)