『時間衝突』 バリントン・J・ベイリー 創元

我々の時間と逆行する時間(彼らにとっては未来に流れる正常な時間)が

正面衝突するという究極のヨタSF。
だが、SFはどんな無茶苦茶な架空理論をでっちあげてもよいと言っても、

架空理論を説明する為に引用する理論が間違っていては、

ヨタでヨタを解説することになり、SFとしても間違いだと言う事になる。

時間流に関する問題、

我々の時間は秒速一秒で流れる。

が、観測者自身も流れているのに流れていると言えるのか?

秒速一秒の時間を観測するには上位の時間流、秒速二秒の世界が必要ではないのか?

秒速二秒に対しては秒速三秒が必要ではないのか?

という無限の問題に対して、

無限を超える超限の問題であると、数学的間違いを犯している。

で、ここでの問題は、一番単純な無限集合、

自然数の無限集合であるアレフゼロで説明できるものである。

無限を超限として説明するようなこの作品は、

SFとしては失格作品である。

時間衝突 (創元推理文庫)

時間衝突 (創元推理文庫)