『ミクロ・パーク』 J・P・ホーガン 内田 昌之 訳 創元

これはホーガン本人ではなくて、

ホーガンの弟が書いた単なるスパイSFアクションである。

一応SFといってよいと思うが、マイクロマシンや仮想空間技術は、

スパイアクションの為のガジェットでしかない。

内なる宇宙」にもミクロ世界での物理特性の変化の件は述べられているが、

本書はその理論をほとんど発展させてなくて、もの足りない。
相対性理論は間違い(というか必要ない)理論も出てくるが、

本書のテーマとはなんの関係もない水増しネタで、白ける。

無駄な情景描写が多すぎて、たるい。

中編というか、短編で良かった話。

主人公の少年達は、超能力も宇宙人の存在も認めない知的な存在であるが、

それはハードSFとしては最低限の守るべきルールであり、

主人公の魅力で読むにしても、ちょっとキツイ。

SFとしてのセンス・オブ・ワンダーはないから、

SFを期待する人は読まなくていい。

ラストの方で、複数のマイクロロボットを、一人で、次々と乗り換え、

四苦八苦する場面があるが、ここはあのネタを使い、

一人で同時に複数を制御するかと期待したが、そうなりません。

ホーガンの弟には考え付かなかったらしい・・・。(爆)

ローダンにも出てくるのになぁ・・・。

脳で考えるだけで操縦出来るインターフェイスを持つロボットなのに、

考えが浅い。

SFとしてのセンス・オブ・ワンダーはローダン以下です。

単なるスパイSFとしてもローダン以下か?

ミクロ・パーク (創元SF文庫)

ミクロ・パーク (創元SF文庫)