『南京大虐殺の大嘘』 吉本栄 東京図書出版会

共産主義が大嫌いで東条英機を尊敬する戦中派の著者が、南京大虐殺説などを
唱える左翼(正確には反日主義者、アメリカも含まれる)の陰謀を糾弾する本。
右翼向けの本としてとても判りやすい(藁
国という概念に拘りすぎで、思想書としてのアウフヘーベンはないので、知的興奮はない。
戦闘序列は詳しいので、南京大虐殺ゲームを作る参考資料としては良いだろう。
殺した数字はもちろん3万人です。
ハーグ条約違反ではないという認識。
自分に不利になる史料には「見解の相違」で逃げ、
勝てる史料にのみ突っ込むという必勝法を使っておられます。
柏楊の「醜い中国人」ネタも動員し、共産主義国民をボロクソに言ってます。
硬派な右翼として戦後の破廉恥な女性を揶揄する箇所と、
教育の本質は押し付けであるという認識には共感したが、
学校で行われる日教組の左翼教育に洗脳されずに、
家庭で行われた右翼教育に洗脳された若者を絶賛する箇所があるのだが、
学校が著者の望む教育を押し付けてこないのを憤るなら、
学校で歴史教育なんてするな、学校から歴史教科書を廃止せよ!
という論調に発展して欲しかったね。
自分は正しいという狭い思考に凝り固まっている古い右翼の書いた本なので、右翼でないと読むのは辛いだろう。
右翼ならではのマイナーネタを列挙しておく。
1920年:尼港(ニコライエフスク)事件
樺太の対岸で共産パルチザンは、日本居留民及び守備隊員700余人を虐殺
1927年:南京事件
中国国民革命軍が南京入城時に日本人を虐殺
1928年:済南事件
蒋介石軍が日本人を暴行、虐殺
1936年:北海事件
広東省北海で日本人商人殺害
上海事件
水兵三人殺傷
1937年:通州事件
保安隊が日本人を虐殺
大山事件
大山海軍大尉、斎藤水兵、上海で中国軍に射殺される


声高々に叫べ!
「人殺しが好きなら、お前一人でもう一度アメリカと戦え!ゴルァ!」

南京大虐殺の大嘘―何故いつまで罷り通るか

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