『侠骨記』 宮城谷昌光 講談社文庫

・侠骨記
・布衣の人
・甘棠の人
・買われた宰相

夏時代の「布衣の人」が一番新鮮である。

宮城谷昌光の作品は、ちょっと中国古代史を知ってる人が読むと、

どえりゃあ面白いと思う。

学者や小説家のネタ本は史記がほとんどだろうが、

宮城谷昌光は春秋左氏伝をネタに小説化しているので、

誰も書いてないパターンがあって面白い。
春秋左氏伝で書いてオチに史記を持って来て、

この話はあのキャラの話だったのかと、ラスト一行で主人公の

メジャーの方の名が明かされる「布衣の人」は歴史ミステリに通じる面白さがある。

「甘棠の人」の人は太公望が主人公だが、召公にスポットライトを当てており、

「侠骨記」や「買われた宰相」は管仲のライバルであった、曹会や百里渓が

主人公であり、マイナーキャラにスポットライトを当てる宮城谷昌光は素晴らしい。

諸葛亮孔明が憧れていた管仲の悪役振りが興味深いです。

管仲なんて悪党なんやねん、曹会と百里渓に萌え萌え。

どマイナーキャラのファンになると、漢字を正しく表記出来ないという問題もあるが(藁

曹会と百里渓の表記が間違ってますが、このパソで正しい漢字が出るかどうか判らんので、

敢えて間違った表記のままです。

甘棠の棠を出すのに苦労して萎えました。

侠骨記 (講談社文庫)

侠骨記 (講談社文庫)