『天空の舟』 宮城谷昌光 文春文庫 上下巻
- 作者: 宮城谷昌光
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1993/09/10
- メディア: 文庫
- クリック: 7回
- この商品を含むブログ (10件) を見る
- 作者: 宮城谷昌光
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1993/09/10
- メディア: 文庫
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
序盤からぐいぐい引き込まれます。
成湯王の軍師になり、夏王朝を倒して商王朝の礎を築いた伊尹が主人公である。
生まれて、死ぬまでを余す事なく描写してます。
中盤は亡国の将の顎の話が続くが、誰が主人公なのか判らない「王家の風日」
に比べれば、明確に伊尹が主人公と言えます。
面白い戦闘が、上巻の前半は、各章に一回は有って、
ゲームみたいでワクワクして楽しめましたが、
中盤は戦闘が無くなってきて、萎えました。
終盤の大戦闘も描写が物足りない。
戦闘序列が明記されてないのが致命的欠陥である。
演繹出来なければ、帰納してデッチあげてハァハァする事も可能だが、
鳴篠の戦い以後の戦いの描写が一切ないのは、キツイ。
普通の小説として読んでも、エピソードやキャラクターやセリフや小道具の絡みが巧いし、
しっかり、主人公に感情移入出来る良い物語である。
銀英伝のヤンとユリアンのモデルは、伊尹と咎単ではないかと思った。
イイン?→イヤン!
キュウタン→ユリアン
おおっ、発音も似ている(爆)
エピローグに杖が再登場するのは、「星を継ぐもの」のエピローグで、
あの名が記された指輪が発見されるのと同じような感動があった。
と言っては誉め過ぎだな。