『封神演義』 安能 務 講談社文庫

封神演義(上) (講談社文庫)

封神演義(上) (講談社文庫)

封神演義(中) (講談社文庫)

封神演義(中) (講談社文庫)

封神演義(下) (講談社文庫)

封神演義(下) (講談社文庫)

小説としては、一本調子で、ただひたすら宝貝合戦するだけの、単調な話である。

ただ、物語の奥に潜む思想が、深い。
あらゆる欲望を捨てた筈の仙人が、超常現象を起こすアイテムで、

合戦をする理由が、

1500年に一度は、抑え付けていた戦闘本能が、

もう、抑えられなくなるからと説明されている。

明確に時間まで明示されていて、私はなるほど!と膝を打った!!

1500年間、人殺しを我慢出来るのが、仙人である。

しかして、神は何年、人殺しを我慢出来るのであろうか?

旧約聖書で語られている神は、どうみても、1500年も人殺しを我慢したとは、思えない。

すぐ、暴力を振るって、人殺しをする幼稚な精神の持ち主が、神である。

高貴な精神とは、人殺しをしない精神である。

皇帝よりも、神よりも、仙人の方が上位の精神を持つ優れた存在であるという理論に触れて、

私は明確な生きる目標が出来ました。

神なんて、小せぇ小せぇ!

あらゆる欲望を捨てて、霞を食って生きる仙人になるのを目指すのが、

生命体の究極の目標である。