『ニコラス・クインの静かな世界』 コリン・デクスター  大庭忠男 訳 早川

ニコラス・クインの静かな世界 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

ニコラス・クインの静かな世界 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

The Silent World of Nicholas Quinn

海外学力検定試験委員会のニコラス・クインの死体が発見された。

クインは耳が不自由でありながら、健常者をおしのけて、委員に採用された。

殺人事件であるならば、クインは何を知った為に殺されたのか?

捜査を開始したモース警部は、委員会の全員に怪しいところを発見する。

そして、第二の殺人が起こった!

甦った本格推理といわれるデクスターだが、

もちろん推理小説のオールタイムベスト1はエラリー・クイーンの「Yの悲劇」である。

クイーンやカーと比較するのは酷かもしれないが、

読後感がすっきりしないのである。

誰が犯人でも納得できてしまう世界は、謎解きがどんどんひっくり返るばかりで、

論理の量は凄いが、一番最後は質が違う大ドンデン返しで決めてほしいものである。

クリスティみたいに、

アンフェアないつも一番犯人らしくない人物が犯人であるというパターンよりは上質だと思うが、

途中で、もう誰が犯人だっていいじゃないのと投げたくなったw