『西洋美術史』?「中世?ロマネスク美術ゴシック美術」 高階秀爾 美術出版社

?中世?ロマネスク美術ゴシック美術

?aロマネスク美術
11世紀後半から12世紀。
修道院が学問や美術の中心。
巡礼路聖堂
重厚な石壁と暗い内部空間を特徴とする。
「枠組の法則」
ロマネスク美術特有の精神的な強度をその生き生きとした表現のなかに溢れさせている。
絵画と工芸
ロマネスク教会堂の天井や側壁には、厳しいキリスト像、神々しい神母像、あるいは聖書や聖人伝を題材とする説話的な諸主題が、ヨーロッパ北部諸地域ではカロリング朝の伝統を継承しながら、南部諸地域ではビザンティンの範例を手本としながら、力強い筆致で描き出されている。
大胆な装飾性と強烈な色彩対比を特徴とするモサラベ美術。
金銀打出。
モザン派。

?bゴシック美術
ゴシックという用語は、「暗黒時代」の「野蛮」な遺物を指す蔑称として長く用いられてきたが、19世紀に入り中世美術再評価の動きもあり、今日では、12世紀後半から15世紀にかけての美術全般を指す文化史的用語として広く定着している。
ロマネスク美術が優れて知的な象徴体系の上に成り立ち、その高度な思弁性のゆえ、ときとして抽象的な表現に陥りがちであったのに対し、ゴシック美術は、人間的で、ときに優美なまでの、写実的な表現を特徴とする。また、威厳にみちた神の像よりむしろ慈愛にみちた母の像が好まれ、各地の司教座都市には、聖母<ノートル=ダム>へ捧げられた大聖堂が相次いで出現。
修道院院長シュジュールの時代
円柱人像。
大聖堂の時代
ゴシック彫刻は、S字型に捻った姿態、柔和な相貌、流麗な衣襞などを特徴とする、古典主義的な美の理想を、聖母子を主題とする小型彫像において実現。
「国際様式」の時代
「国際ゴシック様式」。
典雅な線のアラベスクを追求したシエナ派の画風。