『名画を見る眼』 高階秀爾 岩波新書

名画を見る眼 (岩波新書)

名画を見る眼 (岩波新書)

ファン・アイク「アルノルフィニ夫妻の肖像」

描かれた15世紀では、革命的だったが、現代では普通である。
中世美術なのに、現代作品としても通用しそうな出来だが、
まあ、好みの問題ですな。
革命的肖像画は、レンブラントではなくて、ファン・アイクが元祖だと覚えるように。
って、ゆうかぁ、油絵の技法を集大成したファン・アイクは、油絵の創始者みたいなもんだそうな。

ボッティチェルリ「春」

ローマの詩人オヴィディウスの詩「行事暦」の春の情景を描いたもの。
演劇の一場面みたいなもん。
理想美を追求した中世絵画なので、綺麗なだけである。
綺麗ですね、春の女神ですね、ただそれだけの絵画。
現代人でこれに感動する人は、神話の人物が実在すると信じているキ○ガイですな。

●レオナルド「聖アンナと聖母子」

宗教画なのでこれをありがたがる人は、以下略。

●ラファエルロ「小椅子の聖母」

実はラファエルロの恋人がモデルらしい。
俺様の恋人は神様として拝まれる価値のある美人だぞと自慢している絵である。
女のことしか考える事がない文化レベルの低い中世人には辟易する。
現代人でこれをありがたがる人は、以下略。

デューラー「メレンコリア・Ⅰ」

エングレイヴィング(銅版画)の最高傑作とされる。
デューラーの手先の器用さは理解出来るが、
憂鬱質の独り自己の創造の道を歩む、現世の富や世間的な幸福に無縁な創造的芸術家を描いたって言われても、芸術家像が現代とズレすぎている気がする。
現代の芸術家って、社交的で活発のような気がする。
己の芸術を批判する者には、チームワーク組んで罵る、
暴力団みたいな芸術家が、現代の芸術家像に思えます。
デューラーの芸術家像は、中世ではなくて近代的で、
近代芸術が芸術の頂点だとは思うが、
現代ではメランコリックに創造活動にのみ勤しむ芸術家なんていませんぜ!(藁
芸術を作るより、喧嘩している方が好きとしか思えない、
血の気の多い芸術家が多いように思えます。

●ベラスケス「宮廷の侍女たち」

ベラスケスは、絶対色感を持っていた天才だったと理解出来た。
筆触が凄いのだ。
印象派の色彩分割に相当する凄いタッチで描かれているのだ。
印象派の絵画は拡大すると、形態が消え、単なる色の点の集りになるものがあるが、
ベラスケスの絵も実は、薄いかすれた乱暴に塗りたくっただけの絵具の集合に分割してしまうのだ。
光学知識で計算して描いた印象派の努力は、
200年前にベラスケスがいとも簡単に実現していたのだ。
本物の天才の画家は、スペインにしか生まれなかったのですぜ!(藁

レンブラント「フローラ」

妻をモデルにして描いた花の女神。
ラファエルロのマリアと同じ発想ですな。
おまいら、そんなに自分の女を自慢したいのか?(藁
女のことしか考える事がない文化レベルの低い中世人には辟易する。
現代人でこれをありがたがる人は、以下略。

●プーサン「サビニの女たちの掠奪」

プルタルコスの「英雄伝」とティトゥスリヴィウスの「歴史」に出てくるエピソードの絵画化。
ローマ建国時にローマ人が隣国の女性を集団拉致して、無理矢理花嫁にした事件の絵画化。
ようは、サビニ大虐殺ですな。(藁
南京大虐殺北朝鮮拉致事件に匹敵するテーマで、社会的問題意識溢れるロマン派と言いたいが、そうではない。
プーサンは軟弱なフランス人だが、軟派なイタリア萌えで、女を犯すことしか考えていないイタリア人への批判的意図はなく、
コントラポストを強調する単なるバロック絵画である。
強姦や殺人のダイナミックな動きが絵的に面白いので、モチーフにしただけにすぎない。
戦場という同じモチーフでも、テーマが反戦の場合もあるし、
戦争讃美の場合もあるということです。

フェルメール「画家のアトリエ」

静謐な良い絵だとは思うが、思わせぶりな綺麗なだけの絵に思える。
感動のパワーポイントが弱い(藁
光の表現はレンブラントより下手だし、
室内風景画としては、ベラスケスの足元にも及ばない。
絵を売る必要もなかった金持ちのボンボンのお遊びだから、
感動出来ないと怒るのは筋違いですな(藁

●ワトー「愛の島の巡礼」

ダンクールの戯曲「三人の従姉妹」の絵画化。
男女の逢引をモチーフとするのが多いロココ派だが、
ワトーには、愛は永遠ではないという醒めた視点があるのは、やや面白い。
男女の儚い愛の美しさなど、恋愛障害者には、はなからどうでもいいテーマですが(藁

ゴヤ「裸体のマハ」

世界一の美術館プラド美術館の一番人気のゴヤの裸体画だが、
「着衣のマハ」とセットで考えるべきという高階大先生の論はもっともだが、
ゴヤが世界一だという事に異論はないが、
ゴヤのベスト3は「わが子を喰らうサトゥルヌス」「砂に埋れる犬」「世界征服を企む悪のナポレオン軍」だと思う。(←タイトルを勝手に変えるな藁
ゴヤの代名詞ネタに、
「残酷なまでに厳しい人生の観察者」
「美しいものに憧れる抒情詩人ではなくて、逃れ難い人間の運命を見つめる予言者」
を追加(ってどこにだよ藁)

ドラクロワ「アルジェの女たち」

ロマン派は好きだが、私はドラクロワは軟弱な単なる新古典主義だと思うので、パス。

ターナー「国会議事堂の火災」

似非ドキュメント絵画。
火事をネタにして遊ぶとは不謹慎である。
そりゃあ、国会議事堂なんて燃えてなくなった方が、無駄な税金の出費がなくなっていいが(藁
議員年金は最低でも400万円終身貰えるだと!税金ドロボー!!

●クールペ「アトリエ」

軟弱なフランス人なのでパス。

●マネ「オランピア

マネはその名の通り真似王だったと理解出来た。
マネが盗作した絵画は以下の通り。
ゴヤ「裸のマハ」
ティツィアーノ「ウルビノのヴィーナス」
ジャン・ジャラベール「オダリスク
ジョルジョーネ「田園の奏楽」
ラファエルロ「パリスの審判」
ゴヤ「バルコン」