世界美術館紀行プラド美術館①巨匠ゴヤの光と影

2003年11月22日(土)世界美術館紀行プラド美術館①巨匠ゴヤの光と影

これもあぷ忘れていた。

冒頭で現代美術の魁と明言しているのは良いが、

選定作品と石澤さんの突っ込みが甘く、ゴヤの素晴らしさが充分に伝わってない。

ゴヤ一人で、

ジョルジョーネ
マネ
ルサーン
メングス
ベラスケス
フラゴナール
エル・グレコ
ブリューゲル
ジェリコー
バロ
レンブラント
ゴッホ
フィニ
キャリントン
ルーベンス
コレッジオ
マンテーニャ
ダヴィッド
セザンヌ
ピカソ
ルドン
クールベ
ジェイムズ・アンソール
リベーラ
ムンク
ルノワール

を兼ねていて、並みの巨匠の25倍の能力を持つ、

近代芸術の開祖にして現代美術の全てのイズムの発明者である大巨人ゴヤ

30分で纏めるのは難しすぎたな(藁

●登場作品
「カルロス四世の家族」
LA FAMILIA DE CARLOS Ⅳ
威厳の無い王様のみにとどまらず、王妃の根性悪そうな顔にも突っ込んで欲しかった。

「着衣のマハ」
LA MAJA VESTIDA

「裸のマハ」
LA MAJA DESNUDA
タブーに挑戦したのではなくて、宰相ゴドイに頼まれたので、
いやいや描いたのが、着衣版と比べれば一目瞭然だがね!

マドリード、1808年5月2日」
EL 2 DE MAYO DE 1808 EN MADRID
マスケット銃を持ったフランス軍に対して、小さなナイフなんて素手と同じようもんだろ!
世界征服を目指す悪のフランス軍に、スペイン人民は勇敢にも素手で戦ったと解説せんかい!

マドリード、1808年5月3日」
EL 3 DE MAYO DE 1808 EN MADRID
で、抵抗虚しくとっ捕まったマドリード市民は銃殺されるのだが、
キリストのポーズで殺される市民に言及するのなら、
背景の教会が暗黒に沈黙していることも解説すべきである。
中世の宗教画のポーズを利用してるが、
キリストごっこしても、教会に神の救いの光は降臨しない。
宗教の救いを肯定する非科学的な中世と決別し、
神も仏も無い悲惨な社会に憤る魂をカンバスにぶつけた、
近代絵画の始まりの絵だと解説せんかい!

「チンチョン伯爵夫人」(プラド版)
LA CONDESA DE CHINCHON
3年前に30億円でプラドが購入した新発見の絵らしい。
既存の有名版とほとんど同じに思える。
30億円の価値はないと思うが、
プラドで一番高い絵はゴヤであるという事実を作る為の演出として評価する。(藁

「アルバ公爵」(プラド版)
DUQUE DE ALBA
ゴヤはアルバの死を予測していたのだろうという
突っ込みが欲しかった。

「アルバ公爵」(シカゴ版)

「白衣のアルバ公爵夫人」
LA DUQUESA DE ALBA

「宰相ゴドイ」

「スープを飲む二人の老人」

「わが子を食らうサトゥルヌス」
SATURNO DEVORANDO A UN HIJO
下に隠れている絵は、陽気にカスタネットを叩いて踊っている男の絵だそうです。
陽気な絵を何故グロい絵に黒く塗りつぶしたのかの突っ込みが甘い。

「砂に埋れた犬」
UN PERRO SEMIHUNDIDO
で、これには下絵がないことを明言せんとアカン。
ロングショットで、何も無い大胆な背景の空を強調するべきであった。
こんな大胆な空間構成は、まさに現代美術でしかありえない。
ゴヤは100年早すぎた天才だと強調すべきであった。

「69歳の自画像」
AUTORRETRATO A LOS 69 ANOS
素描の方の白髪よぼよぼ杖×2をキボーン。
倒れそうになっても、杖ついて歩き続け、
「俺はまだまだ学ぶぞ!」
と叫ぶゴヤが感動的なのさ。