2011-08-12から1日間の記事一覧

『第四の敵』 山田正紀 双葉文庫

2億円以上の価値があるフランツ・カフカの未発表原稿を探せ!という冒険小説。

『冷たい密室と博士たち』 森博嗣 講談社文庫

S&Mシリーズ第2巻。微積の大学入試問題が極地研の解析問題の見事な前振りになっている。複素数ネタは電子工学の回路解析オタクには異論があるかもしれない。本格ミステリとしてはポール・アルテ 以下のヘタクソなトリックだが、これは理系ネタに萌える小説で…

『ゐのした時空大サーカス』 山田正紀 中央公論社

諏訪哲史が書きそうな純文学と思わせて3億年のタイムスケールを持つSFになったと思わせて実は…。

『ふしぎの国の犯罪者たち』 山田正紀 扶桑社文庫

「襲撃」 「誘拐」 「博打」 「逆転」 「閃光」 「マリーセレスト・2」 「剥製の島」 エンタメの神、正紀の天才技が爆裂した二重三重にトリッキーなコンゲーム小説傑作集。

『赤い霧』 ポール・アルテ 早川ポケミス

フランスの冒険小説大賞だが普通の本格ミステリ。舞台が1887年なのは超有名作の版権に侵略する為w。あの人を容疑者にしただけでも凄い!

『七番目の仮説』 ポール・アルテ 早川ポケミス

ツイスト博士シリーズ。『狂人の部屋』 がポール・アルテ の最高傑作だと思うが、ネタの密度はこっちの方が上か?殺人の究極のアリバイは別の殺人だと別現場で同時殺人する犯人の努力は凄いよなw。

『海島の蹄』 荒山徹

「海島の蹄」 「真説・李舜臣」 「妖説・李舜臣」 「三別抄暴滅」 怪獣も妖術も忍法も剣法も無しで、史書の解釈の面白さを追求した正統派歴史短編小説集。「真説・李舜臣」と「妖説・李舜臣」のコンボ技が素晴しい!

『天保からくり船』 山田正紀 光風社出版

これはネタバレ厳禁と思うのが普通の書評ブロガーだが、マサキング様との協議の結果ネタバレ記事に修正しますた。天保時代の浪人を主人公にした時代小説と思わせてラストでSFになる。R・A・ハインライン の「宇宙の孤児」+西條奈加 の『金春屋ゴメス』 /2*…

『ターミナル・エクスペリメント』 ロバート・J・ソウヤー 早川文庫SF

本書のベストセリフ「ピーターは最近になって、ロバート・B・パーカー の古いスペンサー・シリーズのおもしろさを発見していた」 SF関係者はSFのみが究極の未来の文学と威張り、ノンSFを馬鹿にする変なエリート意識を持つ者がいるが、ロバート・B・パーカー …

『渋谷一夜物語』 山田正紀 集英社文庫

ミステリ・ホラー・ユーモア・SFとバラエティ豊かな短編集。自分を酷評した文芸評論家殺害計画の途中に渋谷のチーマーに襲われた正紀が、チーマーにボコボコにされるのを防ぐため面白い話をするという構成。