『ボビーZの気怠く優雅な人生』 ドン・ウィンズロウ 角川文庫

ニール・ケアリーシリーズが爽やかすぎてイマイチだった人には、下品なチンコウンコギャグが頻出するこちらの方がお勧めですね。

落ちこぼれのヘナチョコのこそ泥が麻薬密売組織のドンを演じる破目になる冒険活劇。体制側も反体制側も敵に回る大ピンチの連続。

自分一人が逃げ回るだけでも大変なのに、犯罪組織で育てられている子供を救出して一緒に逃げ回る主人公が魅力的。下ネタ満載の下品な犯罪組織の環境は子供の教育に悪いと、不利になるのを承知して子供を助けてしまう主人公がデラかっちょええ!

戦闘が子供の心にトラウマを残さないようにと、敵との追撃戦を、スパイごっこX-MENごっこと説明する主人公の配慮もナイス。

このネタは著作権の壁を突破する見事な事案であるな。
小説書く以外に多才なウィンズロウなので、更なる著作権への挑戦を続けて欲しい。
暴走して出版差し止めになってもウィンズロウは生活には困らないだろう。どこまで暴走するかウィンズロウには超期待出来ますな。

ボビーZの気怠く優雅な人生 (角川文庫)

ボビーZの気怠く優雅な人生 (角川文庫)