『黄昏に眠る秋』 ヨハン・テオリン 早川ポケミス

序盤は本格推理ではなくて歴史文学ぽい。
1970年代の5歳の少年の失踪事件が語られ、
1990年代の少年の母の苦悩が語られ、
1930年代の容疑者の人生の語りが始まる。

父を名前で呼び捨てにする主人公のキャラはいいが、主人公は幽霊信じてるので脱力して挫折しそうだ。というか、幻覚や夢で幽霊見るキャラ大杉!ゴブリンや(ムーミン)トロールの目撃者も!?いっそのことホラーになると面白いが無理でしょうな()

テンポ遅くて萎えるが、99ページでやっと現代の1990年代でも殺人事件が起こり、だんだん面白くなる。1930年代からの容疑者の人生が1990年代に辿り着き真相が暴かれるまで、まだまだ我慢して読み進めなくてはいけないが、一応ドンデン返しもあり本格推理と評価する事も可能。

この糞長さだがセクロスシーンが皆無なのは素晴しい。上品で静謐な素晴しいスウェーデンミステリと言えます。ヘニング・マンケルとオーサ・ラーソンには劣るが、下品なスティーグ・ラーソンよりはヨハン・テオリンの方が読む価値あると思います。

黄昏に眠る秋 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

黄昏に眠る秋 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)