『三国志外伝』 三好徹 光文社

『美貌の皇妃』甄皇后
孔子の末裔』孔融
『烈士の運命』臧子源
『虚誉の人』許靖
『謀士、南海に果つ』虞翻
『最後の朝臣荀紣
張飛の妻』夏侯月姫
『諸葛一族』諸葛瑾
『謀士の哀しみ』賈詡
『乱世の掟』楊脩
劉備の刺客』孟達
『悲運の使者』張温
『恩讐二代』龐徳
『街亭の敗戦』馬謖
『志、立たずとも』諸葛恪
『洛神の賦』曹植

の16篇が収められているが、

楊脩を主人公にした作品の題にご注目いただきたい。

『乱世の掟』という題は、

三国志だろうと戦国時代だろうとローマ時代だろうと、

乱世の戦争状態にあった国に生きた人物なら、

誰にも通用する題である。

それを敢えて楊脩に冠するということは、

世界史の人間全200億人の中で、

楊脩がもっとも注目に値する人物だと、

作者は主張していると解釈する。

人材オタクの曹操、乱世の英雄曹操が使いこなせず、

恐れて殺した楊脩の偉大さが判らない奴は小物である。

正しい歴史認識している三好徹は一流である。

三国志外伝 (光文社時代小説文庫)

三国志外伝 (光文社時代小説文庫)