『家畜人ヤプー』 沼 正三

現在出てる完全版ではなくて、高校の時に抜粋版を読んだだけだが、

SF・ファンタジーとして優れている傑作である。

天照大神の正体が、タイムトラベルしてきたドイツ人「アンナ・テラス」

であったという、日本神話SFとして読んでも凄い!
ドイツ人なのに肌が黄色いのは、

アンナは、黄色い日本人外見のパワードスーツを着ていたからなのである!

イエローモンキー型パワードスーツというのは、

神の正体は宇宙人というSFが多い中、センスオブワンダーに満ちていた。

アンナの生まれた未来社会では、日本人は家畜であり、

パワードスーツどころか、椅子などの家具に改造される日本人もいる。

極めつけは、肉便器に改造される日本人だなw

主人公の日本人は未来に連れて行かれ、

家畜として去勢されるが、

去勢された後に、運動能力が高まるのは面白いと思った。

今の一般社会では、男は女より運動能力が高いとされ、

運痴よりは、スポーツ万能の方が男らしくてかっちょええとされるが、

股間に邪魔なものをぶら下げていたら、運動する時に抵抗になりますよね。

力強い男を自慢するのなら、去勢した方がいいと思いますw

本書はSM小説の奇書と呼ばれるが、

ジェンダーSFとしても優れていると思う。

家畜人ヤプー〈第1巻〉 (幻冬舎アウトロー文庫)

家畜人ヤプー〈第1巻〉 (幻冬舎アウトロー文庫)