『家畜人ヤプー』 沼 正三
現在出てる完全版ではなくて、高校の時に抜粋版を読んだだけだが、
SF・ファンタジーとして優れている傑作である。
天照大神の正体が、タイムトラベルしてきたドイツ人「アンナ・テラス」
であったという、日本神話SFとして読んでも凄い!
ドイツ人なのに肌が黄色いのは、
アンナは、黄色い日本人外見のパワードスーツを着ていたからなのである!
イエローモンキー型パワードスーツというのは、
神の正体は宇宙人というSFが多い中、センスオブワンダーに満ちていた。
アンナの生まれた未来社会では、日本人は家畜であり、
パワードスーツどころか、椅子などの家具に改造される日本人もいる。
極めつけは、肉便器に改造される日本人だなw
主人公の日本人は未来に連れて行かれ、
家畜として去勢されるが、
去勢された後に、運動能力が高まるのは面白いと思った。
今の一般社会では、男は女より運動能力が高いとされ、
運痴よりは、スポーツ万能の方が男らしくてかっちょええとされるが、
股間に邪魔なものをぶら下げていたら、運動する時に抵抗になりますよね。
力強い男を自慢するのなら、去勢した方がいいと思いますw
本書はSM小説の奇書と呼ばれるが、
ジェンダーSFとしても優れていると思う。
- 作者: 沼正三
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 1999/07/01
- メディア: 文庫
- 購入: 22人 クリック: 626回
- この商品を含むブログ (88件) を見る