『エスパイ』 小松左京

小説の方がストーリー構成やテーマが深いが、

映画版の超能力描写に斬新な演出があって、

映画版も私は高く評価する。

エスパースパイの活劇であるが、

超能力を映像化する場合、ほとんどの作品は、

超能力の迫力や凄いという「超えた」素晴らしい能力というアプローチの仕方をするが、

映画版では笑いの演出があってナイスであった。

主人公が初めてテレポートするシーン、映画版では大爆笑出来ます。
超能力なんてものは、物理法則のある我々の世界では存在できない。

超能力描写をお笑いのネタにして馬鹿にしているとも取れる映画は、

科学的な視点を忘れていない優れたSF映画である。

イエス・キリストを誑かした悪魔も登場する原作小説の方が

思想的には深いけどね。

エスパイ (ハルキ文庫)

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