『銀河帝国の興亡』 全三巻 アイザック・アシモフ  創元文庫

SFにおける科学とは自然科学がほとんどだが、
社会科学SFというジャンルを確立した傑作。
広大な領地を治めるには帝国制がマッチするのか?
ということで、ローマ帝国みたいな銀河帝国が登場するが、
サイコヒストリー(心理歴史学)という概念を発見した天才科学者ハリ・セルダン
未来予測術に基づいた、帝国の興亡の物語である。
帝国は崩壊すると予測したセルダンは、帝国を維持、
もしくは復活させる複雑な計画を立てて死亡する。
セルダンの遺志は科学者の集団「ファウンデーション」に委ねられる。
様々な障害を排除する「ファウンデーション」であるが、
セルダンが予想出来なかった超能力者の登場は、
銀河に未曾有の危機を齎す。
ファウンデーション」のメンバーが絶望した頃、
「第二ファウンデーション」の存在が囁かされる。
セルダンは実は完璧に予測して、人類の救世主となるべく「第二」を秘密裏に作っておいたのか?
「第二」は存在するのか?
でも「第二」が決め手なら、「第一」の我々は捨て駒なのか?
銀河帝国の興亡は如何に?

三巻目がSFミステリとしても素晴らしい出来である。

「全ての道はローマに通ず」

というヒントが粋である。

社会科学SFミステリの最高傑作である。