『アルタイルから来たイルカ』 マーガレット・セント・クレア 矢野徹 訳 ハヤカワ

女流作家で、しかも矢野徹訳なら、
きっと泣ける話に違いないと思って買った。
泣けましたね。あまりにもばかばかしくて、
涙がチョチョぎれましたね。
本書を読んでいてアニメのマクロスを思い出してしまった。
地球を壊滅させ、何十億もの人間が死ぬ話なのに、
死に対する重みが少しも感じられなく、
やたら感性のみが美しく、ストーリーが陳腐であり、
ぶりっこパープー女が事件の鍵となっているのよねぇ。
アルタイルから地球に来ていた知性あり、
ヒュプノであるイルカが人間を三人味方にし、
自分達の生活環境である海がこれ以上人類に汚染されるのはたまらんと、
人類虐殺計画を発動する話です。
作品中でストーリーのつまらなさを自己弁護しているふざけた小説である。
ほんでね、イルカがね、英語をね、うぷ、喋るんだぜ、ぷぷぷ。
イルカに乗った少女というシーンも当然ありますわな。
一応SFなんですが、作者の科学知識も小説作法もSFイメージも稚拙なんですよ。
クラークの短編の海洋SF1作から受ける感動にも遥かに及びません。
もっとお利口になってからプロデビューしなさいと言ってしまいましょう。
読んでいて恥ずかしいです。

アルタイルから来たイルカ (ハヤカワ文庫 SF 508)

アルタイルから来たイルカ (ハヤカワ文庫 SF 508)