『サム・ホーソーンの事件簿Ⅵ』 エドワード・D・ホック 創元推理文庫

『幽霊が出る病院の謎』
『旅人の話の謎』
『巨大ノスリの謎』
『中断された降霊会の謎』
対立候補が待つ丸太小屋の謎』
『黒修道院の謎』
『秘密の通路の謎』
『悪魔の果樹園の謎』
『羊飼いの指輪の謎』
『自殺者が好む別荘の謎』
『夏の雪だるまの謎』
『秘密の患者の謎』


本書のベストセリフ

「わたしたちはみんなこの地球に住んでいる。

わたしたちをときどき敵味方に分かつのは政治だけだ」 


ジェンダーイデオロギーを超越した娯楽ミステリの王道。

時代ミステリとして最後の話は歴史人物の死の謎に迫る!

一番のお気に入りは犯人は雪ダルマなので溶けて消えて完全密室殺人という

『夏の雪だるまの謎』だなw。

エリスンのサンタクロースやクーンツのチクタク人形と競演させたかったww
1922年を舞台に開幕したこのシリーズも、

1944年で閉幕となったが、

我らのサム先生の結婚式の翌日に、

世界征服を企む悪の組織大日本帝国が、

卑怯極まる真珠湾奇襲攻撃して、

サム先生の新婚旅行は台無しにされるのであるが、

アメリカ国民のほとんどがイエローモンキーに怒り狂ってるのに、

自分のラブラブファイヤー旅行を潰されても、

サム先生は相変わらずのんびりのどかに殺人事件を解決し続けるのがいいよなw

極悪非道な殺人犯人と言っても、

国家政府が人殺しを推奨している世界大戦の時代なので、

犯人を見逃すパターンが多いのが皮肉が効いていてよか。

可哀想な性的被害者の復讐殺人なので見逃してやると、

犯人は日本軍に殺されるのだねw

一億総火の玉だ!とアメリカ人を殺すことしか考えていなかった日本と、

のんびりのどかにアメリカ人同士で殺人事件していたアメリカの、

国力の違いを痛感しますよな。

時代小説としてアメリカの銃後の生活を知るテキストとしても面白いだろう。