『サム・ホーソーンの事件簿Ⅱ』 エドワード・D・ホック 木村二郎訳 創元
●伝道集会テントの謎
●ささやく家の謎
●ボストン・コモン公園の謎
●食料雑貨店の謎
●醜いガーゴイルの謎
●オランダ風車の謎
●ハウスボートの謎
●ピンクの郵便局の謎
●八角形の部屋の謎
●ジプシー・キャンプの謎
●ギャングスターの車の謎
●ブリキの鵞鳥の謎
●長方形の部屋
1920年代禁酒法時代のアメリカを舞台にした全編不可能犯罪ものの時代ミステリである。
「長方形の部屋」はオマケの現代ミステリですが、オマケが一番レベルが高いw
時代小説としての感想しか突っ込むところが無い。
30過ぎても独身のサム・ホーソーンは、女子大生とラブラブファイヤーになるのだが、
彼女が犯人である可能性がある事件の時、
無罪を証明するにはスカートの中を覗く必要に迫られるのが面白かった。
スカートの中を見せろと言うことがトンデモナイ破廉恥な事であった、
女性が慎み深く、男性が紳士であった古き良き20年代に憧れます。
制服をミニスカにして街を闊歩している女子高生がいる現代日本はおかしいぜよ。
パンツ見せるどころか、パンツも体も売る女子高生がいる現代日本なら、
サム・ホーソーンは失恋しなかったと思われるが、
哀れサムは変態扱いされ女子大生に振られるのだ(藁
サムは医者だが、この時代は技術革新が凄く、
飛行機パイロット等の新しい職業もどんどん生まれ、
田舎医者なんて若い女の子には受けんよと
卑屈になるサムがきゃわいい。(藁
知的レベルが高いと思われる医師探偵だが、
犯人に肉体労働者もいるのは、職業差別を否定しているようで、
ホックの人権意識は素晴らしい。
一芸に秀でた職人が、その専門を犯罪に応用した時、
それを見破るには、机上の知識だけでは苦しいだろう。
探偵にはあらゆる経験に基く知識が要求されるのだ。
サムは医者だが庶民的な人物なので、あの職人の仕事も経験があったと思われる。
気障なハードボイルドの探偵には絶対解決出来ないと思われる、
職人さんが犯人の作品はそれなりに個性的で面白かった。
高学歴で無いと就けない職種の人物より、
中卒の職人さんの方が頭が切れることも有り得ます。
当たり前のことですが、職業に貴賎は無いということを再認識していただきたい。
- 作者: エドワード・D.ホック,Edward D. Hoch,木村二郎
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2002/05/12
- メディア: 文庫
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