『デューンへの道・公家アトレイデ』 B・ハーバート&K・J・アンダースン 矢野徹訳 ハヤカワ
「デューン砂の惑星」の40年前、レト・アトレイデ14歳、ダンカン・アイダホ9歳の時のデューン前史である。
銀河帝国の貴族の公家と宗教団体、政治団体の謀略劇なので、
視点が様々な勢力の色々な人物に変わり、物語と人物にのめり込めない小説だが、
死去した父フランクの書いたデューンより、息子のブライアンが書いたこれの方が、
知的レベルの低いせいか、かえって、本家のデューンよりは読みやすい。
年代記的にはこれが一番最初のデューンものとなるが、
本家で明かされる謎も、これがネタ晴らししているので、
一番最初にこれを読むべきではないという説もあるが、
どうせ、本家読んでも、全てを理解出来ないと思うので、
判りやすいこれから、デューンシリーズに触れても問題ないと思う。
判りやすいと言っても、父フランクのデューンよりは判りやすいというだけで、
ブギーポップがなんたらとか、ヤングアダルトのライトノベルしか読んだことがない奴には、
退屈でつまんない小説に思われるだろう。
単純にワクワクして読めないので、読者の知的レベルが下がるにつれて、
デューンの評価も下がり続けているが、私がデューンをSFとして高く評価するのは、
SFとしての価値の逆転がちゃんと明示されているからである。
それは、愛の否定である。
本書においても、若きレトは他の公家の美しき姫君に萌え萌えになって、
戦闘メックとの訓練において、彼女にかっこええところを見せようと、
危険な戦闘プログラムをメックに発動させようとして、
戦士メンタートに窘められる箇所がある。
メンタートは姫君に対しても、
「お前がいると若君がかっこつけて無茶して危険なんだゴルァ!
公子の命は領民の為にあるんじゃ!
美しく聡明な女との恋愛よりも、大勢の一般市民の方が大切なんだボケェ!
ちょっと見目麗しいからと、ずうずうしくチョロチョロするんじゃねえ!」
との意味のことを言うから痛快である。
普通の小説では、単純に危険を乗り越えて、主人公は、
お姫様と更にラブラブファイヤーになるもんだが、
デューンの魅力が少しは理解してもらえるだろうか?
愛の否定というか、読者に媚びない姿勢もデューンの魅力である。
合作者がジェントリー・リーなら、間違いなく、
12歳の少女が老人にレイプされるシーンになるべきところが、
老婆がホモをレイプするシーンになったりする。
SFの描く壮大な夢が、よくある性欲を満たすものに摩り替わっては、志が低すぎる。
帝国制における貴族主義においては、悪意で領地を治めて、
自分の欲望を満たす為だけに生きる貴族も合法的だが、
名誉を家訓とするアトレイデ家の貴族主義は素晴らしい。
ようは、実利を捨てても、人に好かれよ。
ということで、領主は領民の為のエンターテイナーであるべきだと、
領民に娯楽を提供するのが領主の義務であると、
自らが闘牛士となり、闘牛大会を数ヶ月に一回開くレトの父ポウルスは
とても魅力的である。
領民の為に命を賭けて闘牛するポウルスは闘牛で死ぬ破目になるのだが、
こんな素晴らしい支配者がいるだろうか?
なんの芸もないのに搾取する支配者は、必ず民衆に倒されるであろう。
天皇陛下も更に民衆に好かれる為に、闘牛でもおやりになるとよろしいと存じます。
皇室の話芸はそれなりに漫談として面白いが、
マンネリの芸人は飽きられるぞよ。
礼宮と紀子の娘、カコとマコだっけ?
に新しいロリロリ芸を身に着けて欲しい。
学習院の制服もミニスカにして国民にパンチラサービスぐらいしてもいいと思う。
あっ、子供をこきつかうのは児童福祉法に違反するか?藁
昭和天皇は植物学者としての芸を持っていたな?
美智子は童話朗読サービス芸を持っていたな?
昭仁と浩宮と礼宮の芸ってなんだっけ?
礼宮の芸は紀子を落とした軟派術か?
昭仁と浩宮はなんの芸もないのに国民から給料もらってるの?
リストラされて自殺する人もいるのに、気楽な家業だね。
私は天皇制廃止論者だが、美智子の童話朗読サービス芸には感動したぞ。
愛知県の誇る新美南吉を取り上げたのは、お目が高い。
北の賢治、南の南吉とは言われるが、宮沢賢治の方が
格上に思われているような風潮があるような気がする。
世界一の文化地域、愛知県を舐めたらあかんがね!
デューンへの道 公家(ハウス)アトレイデ〈1〉 (ハヤカワ文庫SF)
- 作者: ブライアンハーバート,ケヴィン・J.アンダースン,Brian Herbert,Kevin J. Anderson,矢野徹
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デューンへの道 公家(ハウス)アトレイデ〈2〉 (ハヤカワ文庫SF)
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デューンへの道 公家(ハウス)アトレイデ〈3〉 (ハヤカワ文庫SF)
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